7年掛けて自分を地獄に突き落とし続けた人

ムズすぎ『スーパーマリオメーカー』自作コースを約7年かけクリアした変人現る

Image:Nintendo/ChainChompBraden

約7年と4368時間ものプレイ時間を経て、ようやく『スーパーマリオメーカー』の自作コースをクリアした人物が注目を集めている。そして妥協せず時間がかかりすぎたことによる、もう1つの“悲劇”も起きた。

「ChainChompBraden」ことBraden Moor氏が超難関コース「Trials of Death」の制作を始めたのは2016年1月のことだ。この『スーパーマリオメーカー』はシリーズとして第1作(Nintendo Switch用は第2作)のWii U専用ソフトで、様々なパーツを組み合わせ、原作のマリオシリーズには存在しないコースを自作できる。自作したコースは任天堂のサーバーに投稿して、他の人も遊べるように公開できた(過去形)。

数千時間もの挑戦の果てにクリアを達成した走りはTwitchで見ることができるが、凄まじいと言う言葉でさえ生やさしいプレイ内容である。コース内はファイアバーやトゲ、回転ノコギリなど「当たると即死」系のパーツで埋め尽くされ、足場のない広大な空間をジャンプ制御だけで切り抜けるしかないのは一目で分かるだろう。

そればかりか、Pスイッチやトランポリンなども、押したり跳ねたり、などの本来の用途とは別のやり方で駆使を強いられる。スイッチの上に一瞬だけ立ってドアに入ったり、先にスイッチを落としてからトランポリンを持ってジャンプ、それを放り投げてスイッチの間で交互に渡り歩く……などといった操作は基本テクニックにすぎない。次々とくり出される神業に、ただ見ているだけでも脳の処理が追いつかなくなりそうである。

なぜ、これほどクリアに時間がかかったのか。それはMoor氏がコースを難しくし続けたからだ。

最初に米メディアViceが「Trials of Death」を報じたのは2016年9月だったが、当時コース終盤に385時間を費やして到達した(未クリア)Moor氏は「上達している自分に気づくたびに、その難度が自分の期待に応えていないと感じるようになった。それが、このプロジェクトが長くなった理由の1つ。改良のサイクルが延々と続くんだ」と語っていた。究極の“M”系プレイヤーである。

また、「今はゲームのレベルエディターの制限で、これ以上何も追加できないところまで来ている」とも付け加えていた。それから2022年に至るまでの数年間、さらにMoor氏は自分を苦しめるギミックを足し続けてきたわけだ。最後の難関となったジャンプ箇所(というには長すぎて複雑すぎるが)も、数ヶ月前に追加したものだったのだ。

しかし、「Trials of Death」の最終バージョンが一般公開されることはなかった。その理由は、1つには『スーパーマリオメーカー』で自作コースを投稿するには「作った本人がクリアしている」必要があること。もう1つは、2021年3月末をもって、任天堂がコース投稿機能のサービスを終了したからである。

Moor氏がコースの難度を妥協して公開するよりも、自らの達成感を優先したために、「Trials of Death」は作者以外の誰も遊べないコースになったのである。

もっとも、当時Moor氏は「本当のクリア」ではない(おそらく一部を妥協した)コースを別アカウントで投稿したこともほのめかしていた。完全版でない途中バージョンにせよ、もしかすると他のWii Uユーザーも挑戦できる日が来るのかもしれない。クリアできるかどうかは別として。

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