環境に優しい空の移動手段が実用化に近づく

米ベンチャーの9人乗り電動飛行機「Alice」初飛行。2026年ごろ実用化へ

Image:Eviation

電動航空ベンチャーのEviationが、640kWの電気モーター2基を搭載する9人乗りの電動飛行機「Alice」の初飛行を実施し成功した。Aliceは「世界初の全電動コミューター航空機」だとEviationは説明している。Aliceという名の由来は『不思議の国のアリス』と、ロックバンドのジェファーソン・エアプレインの楽曲『ホワイトラビット』からだそうだ。

Aliceの初の飛行時間は約8分で、その間に高度は1,000mほどにまで到達。パイロットを務めたスティーブ・クレーン氏は、この初飛行はまだ「よちよち歩きのようなもの」としつつも「われわれの思い通りに飛んでくれた。スロットルの反応が非常に良く、着陸もしやすく、これ以上ないほど素晴らしかった」絶賛した。

ワシントン州に本拠を置くEviationは現在、Aliceの予約を受け付けており、納入は2026~2027年ごろに開始する予定だ。今回の初飛行は商用飛行が許可されるまでに必要な多くのステップのひとつだが、それでも完全電動の航空機としては最前戦の出来事といえるだろう。

Aliceの航続距離は当初発表されていた600マイル(966km)から440海里(815km)に短くなった。しかしそれでも、Eviationは航空機全体のフライトの約30%が250マイル(402km)に満たないものであるため、Eviationはそこに商機があると見ている。

もちろんEviationは、バッテリー技術の改善も計画しており、改良が進めば航続距離は伸びていくはずだ。Aliceの静音かつ環境負荷のない飛行、そしてターボプロップや軽量ジェット機と比較して非常に低い運用コストは、電動飛行機が通勤および貨物市場に食い込む良い例になるかもしれない。

なお、今回初飛行を行った機体は、完全に認証を得た量産機ではなく、試験飛行用として登録されたプロトタイプだ。Eviationは、これから航空機の開発・生産企業として、米連邦航空局(FAA)の認証に向けて多くの課題をクリアしていかなければならない。

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