手品のタネみたいなディスプレイ

伸ばすと大きくなるPCディスプレイ、13インチが17インチに。サムスンとインテル発表

Image:Intel/YouTube

Samsung DisplayのCEO JS Choi氏が、PC向けの「スライド式」ディスプレイを、インテル開催のInnovation 2022イベントにて発表した。

Choi氏は「世界初の、PC用17インチスライドディスプレイを発表します。このデバイスは、画面を大きくしたい、持ち運びもしたいといった様々なニーズを満たすものです」と述べている。

これまでスマートフォンに折り畳み式ディスプレイの採用を進めているサムスンだが、今回発表されたプロトタイプは、13インチのタブレットの額縁を引き延ばすようにして引っ張ると、17インチサイズにまで大きくなる。

コンセプトを説明するためのディスプレイなので、画面に表示されているのは静止画で、本体もキーボードなどは付いていないタブレット型となる。だがサムスンは、少なくともPCには折り畳みでなくスライド式が最適と考えているようだ。

壇上では、このディスプレイがサムスン独自のものなのか、インテルとサムスンが提携して製品化する計画なのか、いつごろ実用化できる見込みなのかなどは語られなかった。

インテルは数年前から実験的なPCフォームファクターの開発に取り組んでおり、マイクロソフトが折り畳みディスプレイを想定したWindows 10Xの計画を取りやめるまでは、折り畳みもしくはデュアルスクリーンへの最適化を進めていたとされる。今回のスライド式ディスプレイ技術は、まだ開発初期段階にあるようだが、ノートPCなどをコンパクトに持ち運び、かつ大画面で使用したい人には折り畳み式よりも有望な技術かもしれない。

ただ、このような新しいフォームファクターが普及するには、コンセプトをさらに推し進め、誰の目にも「すごく便利そう」で「必要なもの」と思わせる使い方をわかりやすく提示する必要がありそうだ。

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