AIパクリゲーにはない、継続的な改善やプレイヤーとの関係構築が大事だそうです

AIパクリゲー問題にSteam「模倣は昔からあり、AIはそれを加速しただけ」と述べる。開発ツールを指図しない考え

Munenori Taniguchi

Image:Steam

ゲーム販売プラットフォームSteamを運営するValveは、Steamで取り扱うゲームに関してAI生成であるか否かは問わないとの方針のようだ。

韓国で開催されたイベントSteam Indie Connectで、Valveのビジネスチームメンバーであるトム・ジャルディーノ氏とマーク・ウィルキンソン氏が、開発者からの質問に対し、同社は開発者がどのツールを使うべきかを指図するつもりはないと述べたという。

Steamなどのプラットフォームではここ最近、AIで生成されたとみられる低品質なゲームの増加や、デモ版が注目された作品のクローンをAIで生成し、オリジナルに先んじてリリースするといった厄介な問題が話題になっている。

イベントに参加したある開発者からは、別の開発者が、金銭を支払わなければAIで生成されたプロジェクトのクローンを公開すると脅す恐喝メールを受け取ったとの主張もあった(ジャルディーノ氏はそのような事例は初耳だとしつつ、もし本当であれば法執行機関に連絡するよう勧めた)。

ゲーム業界に限らず、世の中のあらゆる場面でモラルの低下を危惧する声があがっている。ただ、それは別に今に始まったことではなく、昔から何世代にもわたって言われてきたことだ。

ただ、AIによるソフトウェアコーディングが可能になったことは、これまで開発者が手塩にかけて作り上げてきた作品が、一夜にして模倣されるという現象を新たに生み出している。AI生成ゲームは、10月26日までSteam上で行われていた、発売前作品のデモ版を紹介する「Steam Nextフェス」なる企画でも問題になっている。ユーザーが同フェスのイベントページを開いたときに、そのトップページに表示される低品質なデモの多さについて苦情の声があがっていた。

これに対し、ウィルキンソン氏はSteamではイベント期間の最初の2日間はほぼランダムにゲームを表示し、それ以降はパーソナライズされたおすすめに基づいたゲームをユーザーごとに紹介するようになっていると説明していた。

もちろん、ウィルキンソン氏の説明通りならユーザーの目にAI生成の低品質なゲームが触れることは避けられない。しかし同社は、開発者が使用するツールに基づいて制限するのではなく、Steamの発見体験を向上させたいと考えているとのことだ。Valveは、生成AIが普及する以前から「クローン」は存在していたと考えているとし、ゲームに機能を継続的に追加し、独自のアイデンティティを確立し、熱心なコミュニティを築くことが、有効な対策になるとの認識を示した。こうした取り組みは、オリジナルのゲームが安易な模倣作品と一線を画すのに役立つだろうとしている。

とはいえ、SteamもまったくAIを使って作られたゲームをほかと同じように扱っているわけではない。同プラットフォームでは今年、ゲームの開発過程においてAIを使用した作品のうち、プレイヤーの目に触れる成果物にAIを使用した作品に対して、ラベルを表示する開示制度を設けている。ただ、この方法についても賛否両論があることは否定できない。

Image:Steam

以下は余談だが、ゲーム販売プラットフォームでSteamとはライバル関係にあるEpic Gamesのティム・スウィーニーCEOはゲーム開発にAIを使うことに積極的だ。同氏は従業員に対し、もはや手書きコードは不要だと伝えたことが報じられている。

さらに最近、Epic Gamesはプレビュー版としてリリースした、AIで生成したEpic Games Storeランチャー(プレビュー版)を宣伝し、そのアプリがSteamアプリよりも早く起動すると自慢した。ただ多くのユーザーからは、そのアプリのバグの多さが指摘されている。

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