まずは滑空タイプ、次にロケットエンジン付きをテストする予定

Stratolaunch、双胴機からリリースする極超音速機のプロトタイプ「TA-0」を発表

Image:Stratolaunch

宇宙ロケットを世界最大幅の航空機に装着して離陸し、上空でリリースする低コストな打ち上げ方法を開発していたStratolaunch Systemsが、そのロケットの代わりとなる無人航空機のテスト機TA-0を公開した。


Stratolaunchは当初、ボーイング747用ジェットエンジンを6発、28個の車輪、両端385フィート(117m)という世界最大幅の翼を持つ双胴の航空機「Model 351 Stratolaunch」、通称「RoC」の機体中央にロケットを装着し、高度1万mで切り離してロケットに点火、地球低軌道まで到達させることを計画していた。しかし、Stratolaunch設立者のひとりで元マイクロソフト共同創業者のポール・アレン氏が2018年に死去したことで、宇宙ロケットの打ち上げという当初の目標は凍結されている。

その後会社のオーナーが変わり、現在のStratolaunchはマッハ5を超える極超音速で飛行し、自律的に飛行場に着陸可能な無人航空機「Talon-A」を開発し、それを射出するためにRoCを利用することを計画している。Talon-Aは超音速飛行に関する様々な研究のために使用される予定だ。

Image:Stratolaunch

今回発表されたTA-0はこのTalon-Aのテスト機となる。Talon-Aはロケットエンジンを搭載する予定だが、TA-0には動力はなく、RoCから機体をリリースする機構の検証と評価を行うための試験機だ。試験飛行は2022年内を目標に行われ、その後エンジンを搭載する「TA-1」に移行する。

TA-0に関する各種仕様や詳細は明らかにされていないが、動力がないことを考えると、この約8000ポンド(約3600kg)の機体はリリースされたあと滑空するようにして飛行するか、またはパラシュートで降下する仕組みだと思われる。

Image:Stratolaunch


なお、Stratolaunchは完全に再利用可能な極超音速試験機「TA-2」の製造もすでに開始しているとのこと。Stratolaunch CEOのザッカリー・クレヴァ博士は「われわれの開発のペースは、極超音速テスト機能に対する国の重大なニーズと平行しており、2023年には政府および商業的な顧客のためのテスト資産になるためにあらゆる努力を払っている」と述べている。

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