PS5版『GTA 6』をPCで動かす気満々
PC版『GTA 6』を待ちきれないPCモッダーら、PS5エミュレーター上の『GTA V』動作を急激に改善してしまう

特定のコンピューターシステムのハードウェア・ソフトウェア環境を別の別のハードウェア・ソフトウェア環境で再現し、実行可能にするプログラムをエミュレーターと呼ぶが、いまPlayStation 5エミュレーター界隈では、『GTA V』のPS5版をPC上で快適に動かすため、急速な改善作業が行われている。
PlayStation 5の環境をPC上に再現するエミュレーターにはKytyPS5やSharpEmuなどがあるが、今回のGTA Vのエミュレーションにもこれらのエミュレーターが使われている。
これらのエミュレーター上で『GTA V』を動かす試みは、少し前から盛んになり、7月時点ではゲームを起動して最初のスプラッシュ画面でクラッシュしていたのが、現在では最初のミッションを数分間ではあるものの、おおむね40fpsから60fpsで動作させられるようになってきた。
もちろん、広大なオープンワールドでのプレイを快適にするにはまだまだ膨大な作業が必要になると思われるが、モッダー(ビデオゲームを改造して目的の機能を組み込む人のこと)たちは将来、『Grand Theft Auto VI(GTA 6)』のPC版が出る前にいち早くPC上でこのゲームをプレイすることを目標に、取り組んでいるようだ。
Xで共有されたデモでは、Ryzen 9 9950X3DとRadeon RX 7900 XTを使用する環境でGTA Vがかなり滑らかに動作しているように見える(かなり高性能な環境と言えるが)。しかし、最初のミッションの途中でゲームがクラッシュしてしまい、警察官と対峙して銃撃戦が始まるところまでプレイを続けることはできない。
とはいえ、そもそもこれまで動かすのが難しかったPS5版ゲームのエミュレーションをここまで実現したことは、大きな進歩と言えるだろう。
別の動画では、最初のミッションをクリアしてオープンワールドであるGTA Vの屋外マップに出ることに成功しているものもある。この動画では、プレイ中のフレームレートは15fps程度だが、カットシーンに入ると40fps前後にまで向上したが、カットシーンが終了するとともにクラッシュした。
テクノロジー情報サイトTom’s Hardwareは、GTA Vのカットシーンはムービー形式ではなく、ゲーム内でリアルタイムにレンダリングされる仕組みである点を指摘し、これがKytyPS5エミュレーターにとってはかなり印象的な成果であると解説している。おそらくは、PS5のメモリー、GPU、システムの解析が急速に進歩したことが寄与したと思われる。
これほど短期間でPC上で同作品を動かせるようになった原動力は、先日公開されたGTA 6のゲームプレイ映像を見て、正式な移植版が出るのを待たずにプレイしたいというPCユーザーの欲求が高まったからかもしれない。
ただ、GTA Vは最初に発売されてからすでに10年以上が経過しており、近年のゲームに比べれば決して動作が重い作品ではない(最初の対応機種はPlayStation 3とXbox 360だった)。
また、現時点では数分間だけ、60fps付近で動作させられるようになっただけとも言え、ゲームを最初から最後まですべてプレイできるようになったわけではない。
まして、今年11月にコンソール版が発売された後、おそらく約1年後前後に発売されるPC版の登場までに、PlayStation 5実機でも、現在のところ30fps動作となる『GTA 6』をエミュレーター上で動かそうというのは、相当高いハードルであることに間違いはなさそうだ。
なお、上で軽く触れたもう一つのエミュレーターであるSharpEmuもPS5ゲームの快適な動作を目指し、着実に開発が進められている。ただ、こちらはGTA Vの動作に重点を置くKytyPS5とは異なるアプローチをとっている。
GitHubリポジトリに記された内容によると、SharpEmuはゲーム固有の互換性よりも、精度とインフラストラクチャのセットアップに注力しているとのことだ。同エミュレーターはSteam Deck上で高いパフォーマンスを見せており、たとえば『Astro’s Playroom』の起動画面では、上記の高性能な環境で動くKytyPS5とさほど変わらないフレームレートを実現している。ただそうは言っても0.5~1fpsという非常に低いフレームレートであるため、今後の改善に期待したいところだ。
- Source: BrutalSam(X) Baldly Rudy(X)
- via: Tom's Hardware
