ソニーとMSの歩み寄りは難しそうです

PlayStationトップ、マイクロソフトの「現行契約の3年後までCoD提供」に不満を表明

Image:Diego Thomazini/Shutterstock.com

ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)社長兼CEOのジム・ライアン氏は、マイクロソフト(以下「MS」)ゲーム部門のトップであるフィル・スペンサー氏が「Call of Duty(CoD)」シリーズにつき「現行の契約期間が終わった後、3年間」PlayStation版を発売すると提案したことを明かしつつ、これを「多くの点で不適切であり、我々のゲーマーへの影響を考慮していない」との声明を出している。

MSがゲームパブリッシャー大手アクティビジョン・ブリザードの買収を進める上で、主な焦点が超人気IPであるCoDシリーズのゆくえである。もしもMSがXbox独占にするつもりだと見なされれば、世界各国の規制当局から買収を承認されづらくなってしまう。

それゆえMSはソニーのPS向けに今後もCoDを提供し続けることを約束しているが、問題は「いつまで」という点だ。その期間が短ければ、ソニーも各国の政府に反対意見を出すようになり、買収は成立しづらくなる……といった緊張関係が続いている次第だ。

火種となったスペンサー氏の発言は、The Vergeの取材に対して述べられたものだ。ここでは「今年1月、我々はソニーに対し、現在の契約期間を超えて、少なくともあと数年間は、同等の機能とコンテンツを保ちながら、PSでのCoD発売を保証する署名入り契約をした」と発言。さらに「一般的なゲーム業界の契約をはるかに超えるオファーだ」と付け加えていた。

今回のライアン氏による声明は、この発言を受けて行われたものだ。すなわち、スペンサー氏の言う「あと数年」とは、具体的には「アクティビジョンとソニーの現在の契約が終わった3年後」を指すようだ。そしてGamesIndustry.bizによると、その契約は今年発売の『Modern Warfare II』を含む今後3作のCoD作品をカバーすると考えられるという。すなわち1年に1作発売されるとして、CoDがPSで発売されるのは2027年までとなる可能性があるわけだ。

もともとライアン氏は「個人的なビジネスの話し合いだと思っていたので、コメントするつもりはなかった」という。が、「スペンサー氏がこの件を公の場に持ち出したので、記録を正す必要があると感じた」ため、こうして発言しているそうだ。

つまりライアン氏も、スペンサー氏が事実と異なる発言をしたと主張しているわけではない。ただ、「あと数年間」や「一般的なゲーム業界の契約をはるかに超える」などあいまいな言葉に対して、PS版CoDシリーズ発売が保証されているのは残り5年に過ぎない、とけん制しているようだ。

この解釈が正しければ、今年初めスペンサー氏が「(ソニーとアクティビジョンとの)既存のすべての契約を尊重するという我々の意図と、PSでCoDを維持したいという願いを確認した」と発言したことと、少し隔たりがあるようにも思える。

MSにとってソニーは手強いライバルであり、CoDシリーズは切り札として取っておきたい意図もあるのかもしれない。いずれにせよ、一般ゲーマーを巻き込まないよう祈りたいところだ。

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