今年3度目の値上げ
NVIDIA製GPU搭載グラボ、最大30%値上げか。メモリ高騰が直撃

AIブームが引き起こした「RAMpocalypse(RAM危機)」が深刻化するなか、NVIDIAがGPUとメモリのバンドル価格を20~30%引き上げる可能性があると報じられている。
台湾メディアの経済日報によると、NVIDIAは先週、MSIやASUSなどのグラフィックスカードメーカー各社に対し、GPUキットの価格引き上げを通知したという。値上げ幅は最大30%に達し、今年1月と5月に続く3度目の値上げになるとされる。メーカー側に製造コストの上昇分を価格へ転嫁する義務はないが、これまでの例を見る限り、実際には転嫁される可能性が極めて高い。
この値上げの噂を受け、グラフィックスカード販売店はパニック状態となり、販売に消極的になっているという。中国本土のECプラットフォームでは、先週23日以降、複数の主力グラフィックスカードが相次いで販売停止になったと報じられている。
この背景には、AIデータセンター向け生産の拡大によるメモリ不足・高騰がある。サムスン、SK Hynix、Micronの3大メモリメーカーは、これまで主力だった消費者向けDRAMから、主にデータセンターで使用されるHBM(高帯域メモリ)の生産へと軸足を移している。
その結果、DRAMが不足し、PCやゲーム機などのハードウェア価格が上昇している。このメモリ不足は一般に「RAMpocalypse」あるいは「RAMageddon」と呼ばれている。サムスン、SK Hynix、Micronの3社は、市場環境を利用してDRAMの生産を意図的に抑え、価格をつり上げたとして集団訴訟を起こされている。
RAM不足により、ゲーム向けハードウェアは前例のない価格上昇に見舞われている。Valveは5月、Steam Deckをモデルによって240~300ドル値上げした。ソニーもPS5の各モデル(デジタル・エディション日本語専用モデルを除く)を値上げし、マイクロソフトもXbox Series XおよびSeries Sを8月に再度値上げする予定である。
なお、Xboxは値上げ後も1台販売するごとに赤字が出るとの見方もある。今後数年にわたりメモリ価格の高騰が続けば、ゲーム市場全体に深刻な影響を及ぼしそうだ。
