中身はがらりと変わってます

AirPods Pro(第2世代)発表。H2チップでNC性能2倍、LE Audioは言及なし

Gadget Gate

Image:Apple

アップルは、日本時間8日に開催された「Far Out」イベントにて、同社完全ワイヤレスイヤホン「AirPodsシリーズ」の最新モデル「AirPods Pro(第2世代)」を発表した。

価格は39,800円(税込)で、前世代のAirPods Proの直近価格と比べ、1,000円値上げされた格好だ。9月9日21時から注文を受付開始し、9月23日に発売する。

AirPods Pro(第2世代)は新たに「H2」チップを搭載した。これは従来のAirPodsに搭載していた「H1」チップから性能を向上させた、新世代のチップだ。

この新チップを搭載したことにより、省電力化を実現し、バッテリー性能は初代のAirPods Proより33%向上させたという。これによって、1回の充電で6時間、充電ケースを併用することで30時間の音楽再生が可能となった(いずれもアクティブノイズキャンセリングONの場合)。これまでは約4.5時間だったので、劇的とは言えないまでも、少し伸びた計算になる。

そしてこのH2チップと、同社が「コンピュテーショナルアルゴリズム」と呼ぶ技術を使って、ノイズキャンセリング機能を強化。イヤホン自体の形状はほとんど変わっていないように見えるが、ノイズキャンセリング用マイクと後部の通気口は、外から入ってくる音をより素早く検知できる場所に移動させたという。こういった工夫もあいまって、前世代のAirPods Proと比べ、「最大2倍」の雑音を消すことを可能にしたとのことだ。何と比べて2倍なのか基準が不明瞭だが、このあたりは今後の取材で明らかになるだろう。

またノイキャンについては、これもH2のパワーを使って、毎秒48,000回のノイズ低減処理を行う。サイレンや電動工具など、非常に大きな騒音も最小限に抑えるとしている。

そのほかH2チップは、音質向上にも寄与しているようだ。新たな適応アルゴリズムを使ってサウンドを一段と素早く処理し、オーディオをチューニングする、と説明している。またドライバーとアンプも特別に設計されたものを内蔵している。

内部のドライバー(Image:Apple)

通話機能も向上させた。再設計された内向きのマイクと音声強調アルゴリズムが連携することで、通話中の自分の声が、より自然に相手に聞こえるという。

なお、Bluetoothのバージョンは5.3。これまでは5.0だったので、一気にバージョンが上がった。ただし、噂されていたLE Audioや、新コーデックのLC3、またロスレス伝送などへの対応は、今回はアナウンスされなかった。今後の展開に期待したい。

前述したように本体の形状はこれまでとほぼ同様だが、使い勝手を高めている。これまでは押し込む操作しかできなかったステム部分を上下にスワイプすることで、音量調整が可能になった。ようやくイヤホン単体でボリューム調節ができるようになった格好だ。

そのほか同社は、パーソナライズされた空間オーディオとダイナミックヘッドトラッキング、装着状態に応じて出力を調整するアダプティブイコライゼーションについてもアピールしちえる。ただしこれらの機能は前世代のAirPods ProやAirPods 第3世代機でも、iOS 16との組み合わせなどで利用可能なため、第2世代AirPods Proとの体験の差があるかどうかに注目だ。

装着に関しては、これまではS/M/Lの3サイズのイヤーチップを同梱していたところ、第2世代ではXS/S/M/Lの4サイズ展開となった。より多くのサイズの耳にフィットするようになる。そのほか細かなところでは、肌検出センサーをAirPods Proとして初めて搭載した(これまではデュアル光学センサー)。

Image:Apple

ケースも、ぱっと見た際の形状は変わっていないが、サイズや細かな点に改良が加えられている。MagSafe充電ケースは、その名の通りMagSafe充電器はもちろん、Apple Watchの充電器でも充電可能になった。そのほかLightningケーブルやQi規格の充電器も使用可能と、選択肢が増えた。

またケース自体にU1チップを備え、「探す」アプリの「正確な場所を見つける」機能を使って、充電ケースの場所をピンポイントで探し出せる。スピーカーも内蔵し、音が鳴ることでケースの場所を特定しやすくしているほか、バッテリー残量が減ったとき、ペアリングが完了したときにも音が鳴る。

そのほか、ストラップループを設けてバッグなどに取り付けやすくした。またケースもイヤホン本体も、IPX4等級の耐汗耐水性能を備えている。

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