パブリッシャーにとってもダウンロード版は魅力的

PS5ディスク版、2027年にも急減か。「利益が出ない」と大手パブリッシャーCEO

多根清史

Image:defotoberg/Shutterstock.com

ソニーは2028年1月までPS5向け新作ゲームのディスク生産を終了しない。しかし、この発表を受けて、なお物理ディスクを支持しているパブリッシャーの間では不公平感が強まり、ディスク版ゲームの発売減少が一段と加速する可能性があると指摘されている。

ゲームパブリッシャーCI Gamesは、2027年発売予定の『Lords of the Fallen 2』についてディスク版も発売する予定である。しかし、同社CEOのMarek Tyminski氏は、収益性の高さが企業にとって強力な動機となっており、物理ゲームを発売し続ける理由は薄れつつあると説明している。

同氏はX(旧Twitter)で、ソニーの発表をきっかけに各社が急速に方向転換を進めるとの見方を示した。また、『GTA 6』がディスクを同梱せず、デジタルコードのみを封入する「Code in Box」形式を採用したことも、その流れを後押しする要因だという。

PS5向けゲームのBlu-rayディスクはソニーが製造しているが、タイトルをダウンロード専売とするかどうかは各パブリッシャーが判断する。とくに中小規模の企業では、製造コストの上昇によって利益目標の達成が難しくなっている。一方で、大半のユーザーはすでにPlayStation Storeでゲームを購入している。

Tyminski氏によれば、69.99ドルのディスク版ゲームでは、小売店が25~35%、流通業者がさらに10~20%を受け取る。そこから各種費用を差し引くと、パブリッシャーの取り分は26ドルにとどまる。一方、ダウンロード版であれば最大49ドルの収益を得られる可能性があるという。こうした経済的な現実を踏まえれば、2028年を待たずにディスク版からダウンロード版へ移行することは理にかなっている。

もっとも、Tyminski氏はソニーの決定が小売店に与える影響は大きいと認めている。すでに『GTA 6』PS5版の予約受付を開始しているものの、予約獲得に苦戦している米GameStopを例に挙げた。小売店側も、新作ディスク版の終了を待たず、ゲーム売り場を縮小する動きを加速させる可能性がありそうだ。

一方で、PlayStationユーザーの間では、ソニーがこの決定を撤回することへの期待も残っている。同社のSNSには否定的なコメントが殺到しており、PS Plusを解約したと主張するユーザーもいる

しかし、ソニーはすでにゲーム向け物理ディスクの製造拠点を光学マイクロレンズ向けへ転換し、人員再編も始めていると報じられている。もはやディスク製造終了の方針を撤回できる段階は過ぎている可能性が高い。

任天堂もダウンロード販売の比率を高めつつあるが、「Switch 2」のダウンロード版をパッケージ版より安く販売する施策により、小売店との共存を図っているとみられる。一方、ソニーは物理版そのものを廃止する方針であるだけに、今後もユーザーの反発が強まる可能性もあるだろう。

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