ペットボトルがダイヤモンドに?

プラスチックへのレーザー照射でダイヤモンド生成。天王星などでも同様の現象か

Image:Greg Stewart/SLAC National Accelerator Laboratory

カリフォルニア州にあるSLAC国立加速器研究所の研究者らが、ペットボトルなどに使われるプラスチック素材「ポリエチレンテレフタラート(PET)」にレーザー光を当てることで、非常に細かなダイヤモンドが生成できることを確認し発表した。

これまでも炭素と水素の混合物にレーザーを照射すればナノダイヤモンドができることが知られていたが、この場合非常に高い圧力の下で行う必要があった。PETを使う場合、それほど極端な環境でなくともダイヤモンドを作れることがわかったということだ。

研究では、強いレーザーを照射してPETを3,200~5,800°Cにまで加熱し、レーザーパルスで発生した衝撃波によって72GPa(ギガパスカル)以上の圧力が加わることで、炭素から水素と酸素が分離し、数nm(ナノメートル)のダイヤモンドと、超イオン水(または超イオン氷)と呼ばれる電気伝導度の非常に高い物質ができたとのこと。

「このことは、われわれが考えるよりも簡単にダイヤモンドが形成されている可能性があることを示している」という。これまで考えられていたよりも低い圧力でダイヤモンドが生成できるなら、天王星や海王星のような巨大氷惑星、液体炭化水素の海があると考えられている土星の衛星タイタンなどで、その内部でダイヤモンドが形成されている可能性がある。それが星の核に向かって沈んでいく過程で摩擦熱を発生させることで、その惑星や衛星が予想外に高温である理由を説明できる可能性があると研究者は述べている。

また、超イオン水は高温高圧の下で存在できる物質で、水分子が酸素成分と分解して結晶格子を成し、その中に水素原子核が自由に浮遊する状態になっている。水素原子核は正電荷を帯びており、電流を流すことで磁場が発生する。天王星では、ダイヤモンドが形成されたあとに残った超イオン水のポケットに電流が流れている可能性があり、これが天王星の変わった磁場(地軸と磁場の軸がずれている)と関係している可能性も考えられるとのこと。

研究者らは、氷惑星の主成分であるエタノール、水、アンモニアなどを含む液体試料を用いて同様の実験を行い、氷惑星の凍てついた大気の下で何が起きているのかをより詳しく知りたいと考えている。

そしてナノダイヤモンドについては、レーザーを調整することでもっと簡単に生成する方法を見つけ、その形成速度や大きさを変えられるようになれば、たとえば薬物送達、非侵襲的手術、医療用センサーなどの医療分野や、量子技術方面で応用できると期待されている。

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