アノニマスはウクライナ支援の立場を主張

配車アプリをハッキング、大量のタクシーでモスクワ渋滞。アノニマスが犯行主張

Image:BestPhotoPlus/Shutterstock.com

ロシアがウクライナ侵攻して半年が過ぎ、世界各国はロシアへの経済制裁を続けているだけでなく、特に欧州ではロシア人観光客の受け入れ拒否といった様々な問題が起こっている。そんななか、モスクワの中心部へ向かう幹線道路のひとつ、クツゾフスキー通りに、一度に数十台のタクシーが呼び出されて渋滞を引き起こす事件が発生した。

問題が発生したのは9月1日の朝のことで、ロシアのタクシー配車サービス「Yandex Taxi」を標的としたハッキング攻撃が仕掛けられ、同じ場所、同じ時刻に多くのタクシーに配車要請が出された。サービスを展開しているYandexはすぐにこの要請を取り消そうとしたが、作業は間に合わず、クツゾフスキー通りには数百mにおよぶ渋滞が発生してしまったとのこと。

この様子を撮影した動画は、TwitterやRedditで共有され、記事執筆時点では7,300件以上のリツイートを叩き出している。渋滞は1時間後には解消し、Yandexは攻撃者が誰かを確認できていないものの「今後、同様の被害発生を防止するため、このような攻撃を検出して防止するようアルゴリズムの改善をすでに行なっている」とした。

この攻撃に関して、ハクティビスト(ハックとアクティビストを掛け合わせた造語)グループのアノニマスが、Twitterでウクライナ支援のために今回のハッキングを実行したと主張している。同集団はウクライナへの侵攻が始まった当初、ロシアに対して「サイバー宣戦布告」を行い、ロシア国内でテレビ放送をハイジャックして戦争の映像を流したほか、ロシアの政府機関や企業からのメールなど数テラバイト分の情報を流出させるといった「戦果」をあげている。ただ、それらがウクライナ侵攻に対してどれほど効果があったのかはよくわからない。

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