【連載】佐野正弘のITインサイト 第205回

ついに日本上陸、薄くてペン対応の折りたたみスマホ「OPPO Find N6」の実力は

佐野正弘

国内でも折りたたみスマートフォンが徐々に増えつつあるが、新たにこの分野への参入を表明したのが中国のOPPO(オッポ)だ。同社は海外で折りたたみスマートフォンを継続投入していたが、2026年4月14日にはついに、海外発表されて間もない最新モデル「OPPO Find N6」の国内投入を発表した。

OPPO Find N6は、横折りタイプの折りたたみスマートフォン。折りたたんだ状態でも約8.9mmという薄さに加え、スウェーデンのハッセルブラッドと共同開発した高性能カメラを搭載する。さらにオプションの「OPPO AI Pen」によるペン操作など、高い性能と豊富な機能を備えている。今回、発売前の実機を借りられたので、その実力を確認してみよう。

日本での発売が正式に発表された「OPPO Find N6」。OPPOの横折りタイプとなる最新折りたたみスマートフォンだ

まず外観だが、OPPO Find N6は開いた状態で8.1インチ、閉じた状態で6.6インチのディスプレイを搭載している。本体サイズは閉じた状態で約74W×160H×8.9Dmm、開いた状態で約146W×160H×4.2Dmm。質量は約225gとなっている。

本体を閉じた状態。約8.9mmとかなり薄く、ストレートタイプのスマートフォンと変わらない使い方ができる

そのスペックからも分かる通り、OPPO Find N6は閉じた状態でもストレートタイプのスマートフォン並みの薄さを実現し、片手使いがしやすい。直接的な競合となるのはサムスン電子の「Galaxy Z Fold7」だが、こちらは閉じた状態での薄さが8.9mmなので、OPPO Find N6の方がやや厚い感はあるが大きな違いはないと考えていいだろう。

開いた状態でも、折りたたみスマートフォンで目立つ折り目部分の “しわ” が、だいぶ目立ちにくくなっている。これはディスプレイ素材、そしてチタニウム素材を用い、より平らなヒンジを実現した第2世代の「Titanium Flexion Hinge」の採用によるもので、開いて使う時の違和感は大幅に減少している。

本体を開いた状態。約8.1インチの大画面に加え、折り目の “しわ” もかなり目立たない設計となっている

それでも弱みに感じる点はあり、1つは開いた状態でヒンジ部分が出っ張っていることだ。操作上大きな支障が出るわけではないが、出っ張りによる引っ掛かりがあることに、やや違和感を抱くことが何度かあった。

開いた状態で側面から見ると、中央のヒンジ部分がやや出っ張っているのが分かる

もう1つは、閉じた状態でヒンジ部分のデザインが角ばっているため、左手で持つと角の部分が当たってしまうこと。ある意味で横折りタイプのスマートフォンの宿命ともいえるが、何らかの改良が欲しい部分ではある。

閉じた状態で本体を片手で持ったところ。ヒンジ部分がどうしても角張っているため、左手で持つと角が当たりやすい

続いて本体の性能面では、チップセットには米クアルコム製のハイエンド向けとなる最新の「Snapdragon 8 Elite Gen 5」を搭載している。RAMは16GB、ストレージは512GB。バッテリーは6,000mAhと大容量で、ハイエンドに相応しい性能を備えていることが分かる。

カメラは3眼構成で、背面カメラは約2億画素/F値1.8の広角カメラ、約5000万画素/F値2.0の超広角カメラ、約5,000万画素/F値2.7で光学3倍相当のズーム撮影が可能な望遠カメラを搭載する。最適な色あいを実現する約200万画素のマルチスペクトルカメラも備わっている。ちなみにフロントカメラは前面・背面共に2000万画素/F値2.4だ。

背面カメラは3+1眼構成と「OPPO Find X9」に近い。デザインも影響して出っ張りはそこまで目立たない印象だ
広角カメラで撮影した写真
超広角カメラで撮影した写真
望遠カメラで撮影した写真。光学3倍相当のズーム撮影ができ、デジタルズームも含めれば最大120倍までズームできる

この背面カメラの構成は、2025年に国内で発売されたOPPOのハイエンドモデル「OPPO Find X9」にかなり近い。広角カメラに約2億画素のイメージセンサーを採用し、アップデートを図ったと考えれば分かりやすいだろう。実際に撮影してみても、マクロから望遠まで幅広いシーンで快適に撮影できる万能なカメラという印象だ。

広角カメラでビルを撮影したところ。細部の表現も問題なくできている
マクロモードでの撮影。風に揺れてマクロ撮影がしづらい花なども、ぶれなく撮影できるのは嬉しい

また、OPPO Find N6ではその高い画素数を生かした「ハッセルブラッド高解像度」というモードを搭載。5000万画素、そして2億画素の高い解像度で写真を撮影し、自由にトリミングして思い通りの倍率や構図を実現できる。他にもハッセルブラッドの「XPan」カメラのような撮影できるモードを備えるなど、ハッセルブラッドならではのこだわりの撮影体験が可能となっている。

「ハッセルブラッド高解像度」というモードを使えば、5000万画素、あるいは2億画素をフルに使っての撮影が可能。ちなみに2億画素で撮影すると画像サイズが100MB近くになるので注意
ハッセルブラッドの「XPan」カメラを再現した撮影モードも用意されており、独特なパノラマ撮影が楽しめる

もちろん、折りたたみスマートフォンらしく、本体を折り曲げた状態でテーブルに置くなどして撮影することもできる。フレキシブルな使い方ができるのは、やはり大きなメリットだ。

折りたたみスマートフォンらしく本体を折り曲げ、机に置いた状態で撮影することも可能。三脚不要で撮影できるのがメリットだ

もう1つ、大きな特徴となるのがペン操作である。OPPO Find X9には別売りで専用のペン「OPPO AI Pen」が用意されており、これを用いてさまざまな操作や機能の利用が可能だ。Galaxy Z Fold7が薄型化のため「Sペン」非対応になってしまったこともあり、こちらのペン操作に注目している人も多いのではないだろうか。

別売りだが専用のペン「OPPO AI Pen」も用意されており、大画面を生かしたペン操作が可能となっている

ペンは本体とBluetooth接続する仕組みであり、同梱の背面カバーに収納して充電できる。実際に使ってみると、専用だけあって遅延や認識の漏れなどもなく、4096段階の筆圧検知にも対応していることから書き心地は悪くない。

ペンを活用しやすい「メモ」アプリも標準で用意。ノート感覚でメモやスケッチできるのはもちろん、手書きでの文字認識にも対応しており認識精度も高いことから、ペンでの文字入力も比較的快適だ。

ペン操作は快適で、線を描くだけでなく文字をテキストに変換することも可能。筆者が試した限り、変換精度はかなり高い印象だ

またペンとAIを活用した機能も強化されており、ビジネス利用を意識してかメモや下書き、写真などをイラストだけでなく、図表などにしてくれる機能が備わっている。例えば、ホワイトボードにメモした手書きのグラフなどを写真に撮ってからAIで変換することにより、正確なグラフにしてPDFとして出力したり、グラフの数値から表を作成したりすることも可能だ。

ペンを使うことで、撮影した写真の一部をAIにより画像に変換することも可能。ホワイトボードの画像(筆者が生成AIで作成)を写真撮影してグラフ画像に変換してみる
実際に変換したところ。細かな数値がない元の画像から、大まかな数値も判断して追記してくれており、この数値を基に表へと変換することも可能だ

ただ唯一、弱点と感じてしまうのがカバーのペン収納位置で、本体を開いた状態ではペンの着脱がかなりしづらいのだ。本体を閉じた状態でペンを外してから開く、といった操作を想定しているのだろうが、開いた状態での操作中に「ペンが使いたい」と感じることも多いだけに、収納位置にはもう少し工夫が欲しかった。

本体カバーにペンを収納したところ。本体を閉じた状態では取り出しやすいのだが、開いた状態ではかなり付け外しがしづらい場所となってしまう

ちなみにAIに関しては、OPPO Find X9と同様、OPPO Find N6にも側面にSnap Keyが備わっており、標準ではこれを押すことで「AIマインドスペース」を活用できる。AIマインドスペースでは保存した内容を自動で整理し、画像の内容を分析したり、音声の文字起こしなどをしてくれたりすることから、上手く活用したい。

そして本機に搭載されている「ColorOS 16」では、より折りたたみスマートフォンの大画面を生かした操作ができるよう、パソコンのようにアプリをウィンドウ表示できる。アプリを起動した後、右下から左上にスワイプすることでアプリをウィンドウ化でき、スマートフォンらしく指一本でウィンドウの移動や拡大・縮小、閉じるなどの操作が可能だ。

OPPO Find N6が搭載する「ColorOS 16」では、大画面を生かしてアプリをウィンドウ表示することも可能。ウィンドウの操作が指一本でできるのもポイントだ

ウィンドウは画面上に最大で4つまで開くことができ、それ以上開くと古いウィンドウが右端に最小化されて表示される。本体を片手で持ち、もう片手で操作することを考えれば理にかなったインターフェースといえるが、1つ大きな弱点があり、アプリをウィンドウ化する操作が「Gemini」を呼び出す操作と重複しているのだ。

そのため、この機能を利用するには、本体設定で「Geminiのデジタルアシスタント」をオフにする必要がある。だが、今回お借りした端末ではデフォルトでこの設定がオンになっていたため、ウィンドウ化できるよう設定変更するのにかなり戸惑ってしまった。せめて初期設定でどちらを利用するか設定できるようにしてもよかったのでは、というのが正直なところだ。

アプリをウィンドウにする操作と「Gemini」の呼び出し操作が重複しているため、ウィンドウ化の操作をするにはあらかじめ「Geminiのデジタルアシスタント」をオフにしておく必要がある

OPPO Find N6は実際に使ってみると、従来の折りたたみスマートフォンで不満を抱いていた部分がかなり改善され、使い勝手は非常に良いと感じる。カメラも性能が高く、細かな部分で弱みと感じる部分はいくつかあるものの、全体的に満足できる内容であることは確かだ。

ただ、どうしても気になってしまうのは価格だ。本体価格は31万8000円、OPPO AI Penと専用ケースは1万9800円とされている。価格面ではGalaxy Z Fold7を上回り、一般消費者が容易に購入できる額ではない。それだけにOPPOの日本法人であるオウガジャパンには、それだけ高額な商品を、いかに多く販売するかが問われるだろう。

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