安い!途切れない!音質が良い(気がする)
Bluetoothより有線イヤホンがトレンド?2025年後半から売上増加中

消費者の購買行動や市場トレンドに詳しい分析会社Circanaの報告によると、有線ヘッドホン(イヤホン含む)の売り上げは5年連続で減少した後、2026年後半から増加に転じており、2026年に入ってからもその勢いは増しているという。
Bluetoothヘッドホンはケーブルが装着時にブラブラと邪魔にならず、絡まることもないため、リスニング時の利便性が高いというのが一般的なイメージと思われる。ところが、有線ヘッドホンに回帰した人からは、むしろワイヤレスのほうが不便だという意見も聞かれる。
たとえばイヤーバッズタイプのBluetoothヘッドホンは、耳から落ちてしまうことがあり、そのまま紛失してしまうこともある。Bluetoothヘッドホン全体としても、バッテリーは切れて欲しくないときに切れてしまうし、そもそも使い始めるためにスマートフォンなど再生機器とペアリングするのが、デバイスに詳しくない人にはかなりの手間に感じられるのだそうだ。
ヘッドホンレビューサイトSoundGuys編集長のクリス・トーマス氏は、BBCに対し「ワイヤレスヘッドホンは劇的に進化しているものの、最高のものはオーディオマニア向けのニッチなブランドから出ていることが多い」と説明。また、家電量販店で見かけるような一般的な製品に関しては、同じ価格帯ならばそのなかで最高の有線ヘッドホンを選んだ方が音質が良いと述べている。
Bluetoothヘッドホンには、人々が密集する場所では電波帯域の奪い合いとなり、音切れが発生したり、不安定になったりする弱点もある。そのためいくら高級メーカーの高級なBluetoothヘッドホンを選んでも、音切れを完全に回避することはできない。
とはいえ、それ以上に消費者に影響を与えているのは著名人であるようだ。少し前までは、ワイヤレスヘッドホンと言えばAirPodsと言わんばかりに、誰もがAirPodsを使っていた印象だった。だが、一部のファッション系セレブ…、たとえばベラ・ハディッドやリリー・ローズ・デップ、ゾーイ・クラヴィッツ、アリアナ・グランデ、チャーリー・XCXらは、逆に個性を演出するためなのか、2021年ごろから有線ヘッドホンを使用する姿が目立っている。
また、トランプ関税などによる物価高のために、一般消費者が一般的にBluetoothヘッドホンよりもリーズナブルな有線タイプを選ぶ傾向が強まっている可能性や、デジタルカメラ市場における「オールドコンデジ」人気の隆盛のように、ビンテージやレトロな雰囲気を持つ製品に興味を持つ人が増えていることも、有線ヘッドホン人気を後押ししているのかもしれない。
ちなみに、アップルはいまから10年前、当時最新だったiPhone 7でヘッドホンジャックを廃止して、今日のBluetoothヘッドホン普及要因のひとつとなった。だがそのアップルもいまだに有線(USB-C接続、Lightning接続、3.5mmアナログ)のEarPodsの販売を継続している。同社のティム・クックCEOは2022年のBBCのインタビューで、同社が有線イヤホンの販売を廃止しないのは、それが「今でも売れるからだ」と語っていた。
