独自webOS搭載、PC不要で動画も楽しめる
ただのモニターじゃない。仕事もエンタメも1台で、34型曲面「LGスマートモニター」レビュー

最近、部屋にテレビを置かない人が増えている。スペースの問題もあるし、動画はスマホで済ませることが多いのでテレビがなくても困らない、という感覚はよくわかる。ただ、せっかく動画や映画を観るなら、大きな画面でちゃんと観たいという気持ちもある。
その悩みを解消してくれたのが、今回試したLGのスマートモニター「34SR63QA-W」(直販価格:76,780円・税込)だ。仕事にも使えて、映像体験としても十分に満足できる。そういう1台を探しているなら、かなり有力な選択肢になると思う。
視界のほぼ全部が画面に
34SR63QA-Wの前に座ると、視界のほぼ全部が画面になる。アスペクト比は21:9で、一般的な16:9のモニターやテレビと比べて横に33%ほど広い。
映画館で使われるシネスコサイズ(2.35:1)に近い比率なので、対応した映像コンテンツを再生すると画面の上下に黒帯がほとんど出ない。映像が画面いっぱいに広がる感覚は、想像していたよりずっと没入感がある。

ディスプレイは曲面型パネルを採用している。曲率1800Rのゆるやかな湾曲で、デスクに近い距離で使っても画面の端に違和感が出にくい。実際に座ってみると、画面の両端が視界にやさしく入り込んでくる感覚があって、これが思いのほか心地いい。SFの世界のコックピットにいる気分、と言うと大げさかもしれないが、あながち外れていない。
映像だけでなく仕事用途でも使いやすいのは、このゆるやかなカーブのおかげで長時間向き合っても目が疲れにくいという点も大きい。映像コンテンツが好きで、自分のスペースでちゃんとした画面で楽しみたい。そういう人にとって、このモニターはかなり理にかなった選択だと思う。
テレビと同じように使えることの快適性
この製品が単なるモニターと一線を画しているのが、独自のwebOSを搭載しているところだ。PCなどに繋がなくても、このモニター単体で動画配信サービスが使える。
Netflix、Amazon Prime Video、Disney+、TVer、Apple TV、YouTube。主要なサービスはほぼ網羅されており、600以上の映像配信サービスに対応している。テレビのリモコンを手に取るのと同じ感覚で見たいコンテンツをすぐ開ける。仕事が終わってPCを閉じた後、そのままNetflixを開く、という流れがとにかくスムーズだ。

リモコンが付属しているのもうれしいポイントで、テレビと同じ感覚で操作できる。さらにLG ThinQアプリを入れると、スマートフォンからポインター操作や文字入力、ボイスコントロールも使えるようになる。モニターとの距離感が、一段階近くなる感じがある。

7W×2のステレオスピーカーが内蔵されているので、外付けスピーカーを別途用意しなくても十分な音質で楽しめる。
SpotifyやAmazon Musicも、webOSによってモニター単体で再生できるので、BGMをかけながら仕事することも外部機器なしで実現できる。デスク周りをシンプルにまとめたい人には、なかなか理想的な仕様だ。
映像がきれいに見える理由
34SR63QA-WはHDR10に対応していて、sRGB 99%の色域をカバーしている。映画やドラマは映像表現の幅がそのまま伝わってくるし、ゲームをプレイする場合もグラフィックの精細さが素直に引き立つ。

パネルにはVA方式を採用していて、コントラスト比は3000:1と高い。これが何を意味するかというと、暗いシーンで黒がしっかり黒く沈む、ということだ。夜のシーンが多い映画やドラマを観たとき、暗部がぼんやり浮かび上がらずに締まって見える。映像全体の密度が上がる感じがあって、観ていて気持ちいい。
実際にNetflixで映画を数本観てみたが、特に照明を落とした夜の室内で観ると、その沈み込むような黒の表現がじわりと効いてくる。映像を楽しむためのモニターとして、必要なスペックがきちんと揃っている。
長時間デスクに向かう人にとって、目への負担は無視できない。34SR63QA-Wはフリッカーセーフとブルーライト低減モードを搭載していて、画面のちらつきや目への刺激を抑える設計になっている。
さらに自動輝度センサーも備えており、部屋の照明の変化に合わせて画面の輝度が自動で変わる。細かい機能ではあるが、一日中この画面と向き合う人にとっては、大事な配慮だと思う。
仕事にも、大画面が作業効率を上げる
このモニターの面白いところは、映像体験だけでなく仕事にもしっかり使える点だ。21:9の広い画面は、ブラウザとSlackを横並びにしたり、スプレッドシートを広々と開いたりするのに向いている。サブモニターを別途用意しなくても、1枚で広い作業領域が確保できる。

接続は2つのHDMIポートに加え、USB Type-Cポートを1つ搭載し、ケーブル1本でPCとの映像出力・データ転送・最大90Wの給電が同時にできる。
AirPlay 2やHomeKit、Miracastにも対応しているので、iPhoneやiPadの画面をワイヤレスでそのまま飛ばすことも、対応するWindowsであれば「Win+K」のショートカット一発でケーブルなしの接続もできる。有線でも無線でも使えるというのは、シーンによって使い分けができて思いのほか便利だった。

手元のMacBookをUSB Type-Cで繋いでみたが、外部ディスプレイとしてすんなり認識して問題なく作業ができた。充電しながら作業できるのに、デスクの上にケーブルが増えない。デスクスペースをすっきり使いたい人にとって、これは地味ながら確実に効いてくる仕様だ。
使っていて感じるのは、デスクで仕事も映像も完結させたい人には、理想に近い1台だということだ。昼間は仕事用モニターとして使い、夜はリモコンを手にNetflix、YouTubeを開く。テレビを別途置く場所もコストも必要ない。
これはテレビとモニターを別々に買う必要がなくなった、という単純な話ではない。デスクという自分だけの空間が、仕事と映像の両方に最適化された場所になる、というのが使ってみて感じた一番大きな変化だった。
曲面の34インチ画面でNetflixを開いた瞬間、これは楽しいと思った。仕事も映像も、全部ここで完結する。そういう感覚が、この製品にはある。
