Face IDパーツを全て画面下に移すのは困難

iPhone 20は“全面ディスプレイ”実現ならず?20周年モデルに暗雲

多根清史

Image:alexgo.photography/Shutterstock.com

来年(2027年)のiPhone20周年に合わせて特別モデル「iPhone 20」が登場するとの噂は、長きにわたり複数の情報源から伝えられてきた。しかし、その最大の目玉である全画面デザイン(画面に穴や切り欠きがない)について、実現が難しい可能性があるとのリークが報じられている。

ここ数年のiPhoneのロードマップは、デザインの全面刷新を目指しているとみられる。昨年の超薄型iPhone Airの投入に続き、この秋には初の折りたたみiPhoneが登場予定である。

さらに来年の「iPhone 20」では、切り欠きのない全面ディスプレイを採用し、画面が本体の縁まで回り込み、ベゼルを最小化する設計になると予想されている。それは、元デザイン最高責任者ジョニー・アイヴ氏が繰り返し語ってきた「1枚のガラス板のようなiPhone」という理想像に他ならない。

しかし、信頼性の高い中国のリーカーである定焦数码(Fixed Focus Digital)によると、それは夢のままに終わる可能性もある。

Weiboでの新たな投稿によれば、アップルはディスプレイ下埋め込み技術の進展に苦戦しているという。その結果、ダイナミックアイランドの段階的な縮小にとどまる可能性が高いとされる。そして「真の全面ディスプレイの実現までには、依然として長い道のりにある」と結論づけている。

全面ディスプレイを実現するには、Face IDの各種コンポーネントと前面カメラの双方を、iPhoneのディスプレイ下に移設する必要がある。

まずFace IDのTrueDepthカメラシステムは、主に3つのコンポーネント(投光イルミネーター、ドットプロジェクタ、赤外線カメラ)で構成されるが、現状の技術では投光イルミネーターのみが画面下配置の目処が立ったとみられる。このパーツは顔全体に赤外線を均一に照射するシンプルな光源部品であり、小型化もしやすく、ディスプレイ透過性の確保も比較的容易である。

実際、iPhone 18 Proでは投光イルミネーターのみを左上の画面下へ移設することを示す画像が公開されており、これによりダイナミックアイランドが縮小する可能性が浮上している。

一方で、ドットプロジェクタは約3万点の赤外線ドットを高精度で投影する必要があり、赤外線カメラは微弱な反射光を正確に検知しなければならない。これらは有機ELパネルによる赤外線の吸収・散乱の影響を受けやすく、透過率が低下しやすい。そのため、アップルが求める認証精度を維持するのは極めて難しい状況にある。

著名なディスプレイ専門アナリストであるRoss Young氏も、iPhone 18 Proおよび2027年モデル(20周年モデル)のいずれにおいても、ダイナミックアイランドは縮小こそすれ、完全には消えず残り続けるとの見方を示している。

とはいえ、iPhone20周年記念モデルの発売予定まで、まだ1年半ほど残されていると推測され、時間的余裕がまったくないわけではない。最終仕様の確定が2027年2月〜4月頃だとすれば、実質的な猶予は1年弱となるが、今後の続報を注視したいところである。

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