AI誘導機能付き神風ドローン
中国アリババ、出品された「自爆攻撃型ドローン」を複数削除。“農薬散布機”など偽り出品

中国eコマース大手のAlibaba(アリババ)は、同社のオンライン通販サイトに出品されていた「空中測量」用や「農薬散布用」をうたうドローン数種類を削除した。理由は、それらのドローンが実際は自爆攻撃型UAVと呼ばれる類いのものだったからだ。
UAVはUnmanned Aerial Vehicleの略で、直訳すれば無人航空機となる。いわゆるドローンのことだ。自爆攻撃型UAVは、神風ドローンなどとも呼ばれる。
Alibabaに出品されていた上記のドローンを豪ABCが詳しく調べたところ、一部はイランのシャヘド航空産業が設計したShahed-136型UAVに酷似していた。同機は約2kgの弾頭を装備して最大100km離れた標的を攻撃する能力を持っている。別のドローンも、形状は巡航ミサイル型だが、同様の性能を備える攻撃型UAVとみられるものだった。
掲載された商品の多くには、ドローンの試験飛行の動画や、ドローン工場内部の写真が含まれていた。
当然ながら、これらのドローンは通常、インターネットで気軽に購入できるものではない。豪ABCはAlibabaのサプライヤーカタログを入手して精査したところ、中国拠点サプライヤー1社が5種類の「自爆型攻撃ドローン」を提供しており、そのうち2種類はイラン製シャヘドShahed-136とほぼ同じスペック、同じ外形寸法だったという。ちなみにShahed-136は、現在世界の悩みの種となっているホルムズ海峡でも使用されている。
Alibabaはその公式ポリシーで、軍事装備品の販売を禁じている。同社は声明を出し、「軍事兵器の販売を厳しく禁止している」ことを改めて確認し、「違反の第三者による出品について、通知を受け次第、直ちに削除措置を講じた」と述べた。
ただしドローンは、軍事用として使うほかに、たしかに測量や農薬散布用途にも使用できる。豪ABCいわく、商業的な物流や調査業務のためであれば、合法的に販売が可能になっているとのことだ。
世界の商用ドローンの70%を供給している中国は、一般向けのドローンが軍用に転用されるのを防止するため、高性能ドローン部品の輸出を制限している。さらに中国は、表向きには紛争地域に武器や軍事製品を供給しないとのポリシーを維持している。
今回発見されたドローンはAlibabaが削除対応を実施したため、悪意あるものの手に渡ってなにかの悪事に使用される可能性はなくなった。だが複数の業者は、単に商業用途だと主張すれば、上記のような輸出規制は簡単に回避できると豪ABCの取材に対して述べた。業者のひとりは「顧客が購入した後は、それを何に使うかは我々には何の関係もない」と答えたとのことだ。
- Source: ABC
- via: Tom's Hardware
