基板メーカーによる不正の可能性も浮上

CPU偽装問題のChuwi製ノートPC、AMDが「関与せず容認しない」声明

多根清史

Image:Alberto Garcia Guillen/Shutterstock.com

中国PCブランドChuwiが、Ryzen 5 7430Uを謳っていた製品に古いRyzen 5 5500Uを搭載し、さらにBIOSレベルで偽装していた問題が発覚した。AMDは公式声明を発表し、本件について同社は一切関与しておらず、いかなるメーカーによる製品の誤表示も容認しないと明言している。

さらにAMDは、「この問題に真剣に注意を払っており、法律に従い関係当事者の法的責任を追求する権利を留保する」と警告している。現時点でChuwiへの法的措置は発表されていないものの、状況次第では追及に踏み切る可能性があるとみられる。

本件を整理すると、ChuwiのCoreBook XおよびCoreBook Plusにおいて、広告ではZen 3世代のRyzen 5 7430U(L3キャッシュ16MB、ブースト4.3GHz)とされていた。しかし分解調査により、OPN番号「100-000000375」のRyzen 5 5500U(Zen 2、L3キャッシュ8MB、ブースト4.0GHz)が搭載されていることが確認された。さらにWindowsやBIOS上でも7430Uと表示されるよう細工されており、NotebookCheckの検証によって組織的な不正の疑いが浮上している。

Chuwiは当初、製品バッチの混在によるものだとして問題の沈静化を図った。しかし、ファームウェアレベルでプロセッサ表記を変更していたことが発覚し、この説明は成立しなくなった。さらにChuwiは、NotebookCheckに対して本件に関する情報の削除を要求していたとも報じられている

その後、Chuwiは誤表示CPUを搭載した製品のリコールを発表し、対象ユーザーには全額返金を提供している。該当製品はCoreBook X、CoreBook Plus、そしてUBox mini PCである。

一方で、事態はさらに複雑化している。Nikear A15 ProノートPCの所有者2名が、「Ryzen 5 7430U表示にもかかわらず中身が疑わしい」とフォーラムに投稿した。結果としてこの個体は正規の7430Uであることが確認されたが、この機種とChuwi CoreBook Xが同一設計のPCB(マザーボード)を使用していることが判明した。これにより、両者に共通する下請け工場(ODM)が偽装BIOSを仕込んだ可能性が浮上している

これらが事実であれば、問題の本質はノートPCメーカーではなく、基板やファームウェアを供給する側にある可能性も出てくる。ただし現時点ではすべての事実関係が確定したわけではなく、今後の動向を注視する必要がある。

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