PC異色の新鮮味が薄れたため?

ソニー、PS5大作のPC版を停止か。売上低迷で戦略転換との報道

多根清史

Image:SIE

ソニーがPS5の大作シングルプレイヤーゲームのPC版リリースを中止すると、Bloombergが報じている。これは、6年間にわたってPlayStation独占タイトルのマルチプラットフォーム戦略を展開してきた同社にとって、大きな方針転換である。

今回の報道によると、ソニーは昨年の『ゴースト・オブ・ヨウテイ』および今後発売予定の『Saros』、さらに社内開発のほかのゲームのPC版計画を、戦略転換の一環として取りやめたとのことだ。

一方で、Bungie開発の『Marathon』のようなライブサービスゲームは、今後もマルチプラットフォームでの発売が予定されている。2024年にSteamで『Helldivers 2』が大成功を収めたことを考えれば、これは驚くことではない。しかし『Marvel’s Spider-Man』『The Last of Us』『God of War』といった主力のシングルプレイヤータイトルは、再びPS5独占へと戻ることになる。

今回の報道は、以前からBloombergのJason Schreier氏ほか複数の有力ジャーナリストが、この戦略の寿命は長くないと示唆してきた流れを受けたものでもある。Schreier氏はTriple Clickポッドキャストにおいて、ソニーのPC向けリリースは「止まることになるだろう」との感触を述べ、例として今年の『Marvel’s Wolverine』を挙げている。これはソニー社内開発タイトル(PlayStation Studiosの一つであるインソムニアックが開発)であり、PC版が登場しない可能性があるという。

ゲーム映像の解析で知られるDigital FoundryのJohn Linneman氏も、これに同意している。「彼らがPCから距離を置きつつあるという感触がある」「彼らが居たい場所はコンソール(家庭用ゲーム機)なのだと思う」とのことだ

またWindows CentralのJez Corden氏も数カ月前、「非常に信頼できる情報源から、PlayStationはPCから後退しつつある可能性が高いと聞いた」と語っていた

さらに著名リーカーのNate the HateはX上で、「PC対応から離脱するという決定は昨年に下された」と投稿している。

Bloombergの記事は、この方針変更の理由として、最近のPlayStationゲームのPC版の売り上げ不振、PC展開が家庭用ゲーム機ブランドを損なうリスク、さらに次世代XboxでPlayStationゲームが動作する可能性(次世代XboxはWindows PCゲームと互換性を持つと噂されている)などを挙げている。

ソニーのPC向けゲームは当初こそ好調なスタートを切ったが、その後はあまり売れていないようだ。2025年11月、ゲーム市場調査会社Alinea Analyticsの報告は、ソニーのSteam向けタイトルが少なくとも15億ドルの収益を生み出したと推定していた。しかし、そのなかでも『Helldivers 2』が飛び抜けており、1270万本という販売本数は他のタイトルを大きく引き離している。

さらに重要なのは、Steamにおけるソニーの主力タイトルの売り上げが低下していることである。Alineaの分析によると、『Horizon Forbidden West』『God of War Ragnarök』『Marvel’s Spider-Man 2』といった続編タイトルのSteam販売数は、前作を大きく下回っている。レポートでは、その理由を「PlayStationゲームがPCに登場すること自体の新鮮さが薄れたため」と説明している。

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