ソニーがクリエイターの意思を尊重した可能性も

『Bloodborne』リメイクは幻に、Bluepoint提案もフロム却下か

多根清史

Image:charnsitr/Shutterstock.com

先日、ソニー傘下のスタジオBluepointの閉鎖が発表された。買収からわずか5年後の出来事であり、『デモンズソウル』や『ワンダと巨像』など優れたリメイク作品で知られるスタジオが、新作を1本も送り出さなかったことに疑問の声が上がっていた。

とくに注目を集めていたのが『Bloodborne』(以下、ブラボ)である。『デモンズソウル』に続くフロム・ソフトウェア作品としてリメイクの期待が高まっていたが、結局実現していない。この件について、Bluepointが実際にリメイクを提案したものの、フロム・ソフトウェア側がそれを望まなかったとBloombergが報じている。

報道によると、2025年初頭、ライブサービス版『God of War』の開発中止が報じられた直後、Bluepointはソニーに対して「ブラボ」リメイクを提案したという。同スタジオはこのプロジェクトについて「数字的には成立する」と伝えられたものの、オリジナルの開発元であるフロム・ソフトウェアが、理由は明らかにされないまま計画の進行を望まなかったとされる。

さらに報道では、その後のBluepointが既存のPlayStation IPを用いた新規プロジェクトもソニーに提案していたことが示唆されている。具体的には『ゴースト・オブ・ツシマ』のスピンオフや、PS4版『ワンダと巨像』のアップデート版(おそらくPS5版)などである。

フロム・ソフトウェアがBluepointの提案に難色を示した理由は不明のままだ。代表取締役社長の宮崎英高氏は過去に、「ブラボ」(略称)のリメイクに対する強い需要について「非常にうれしく思っている」と語っており、少なくともPC版移植には「反対ではない」とも述べていた。宮崎氏は「ブラボ」開発において、ゲームシステム設計やレベルデザイン、世界観構築からテキストワークに至るまで、直接ディレクションを担っていた人物である。

しかし昨年、元PlayStation Studios責任者の吉田修平氏は別の見方を示していた。「これは私の個人的な仮説だが」と前置きしたうえで、「宮崎氏が本当に、本当にBloodborneを愛していたのを覚えている。興味はあると思うが、彼は非常に成功しており、とても忙しい」と語り、他社によるリメイクを望んでいない可能性を示唆している。

2015年発売の「ブラボ」はフロム・ソフトウェアが開発元、SCE(SIEの前身)がパブリッシャーである。つまり、ソニーにも相応の権利があるということになる。もしソニーがフロムの意思を尊重し、採算が見込めるBluepointによるリメイクを見送ったのだとすれば、クリエイターを重んじた判断とも解釈できるだろう。

真相がどうであれ、ファンが望むPS5向け「ブラボ」が実現するまでの道のりは、なお遠そうである。

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