永遠に完成しない機能を宣伝してきました

テスラ、誤解招く「Autopilot」を宣伝文句から削除。カリフォルニア州当局の命令受け

Munenori Taniguchi

Image:Tesla

今週、テスラは同社製品のマーケティングにおける「Autopilot」という用語の使用停止命令を受け入れた。これにより、カリフォルニア州陸運局(DMV)が2021年に調査を開始したテスラの先進運転支援システム(ADAS)である「Autopilot」と「Full Self Driving(FSD)」機能の名称の妥当性に関する問題に、一応の決着が付いた格好となる。

カリフォルニア州DMVは、テスラが2021年5月からADAS機能オプションの宣伝において「本システムは運転席の乗員による操作を必要とせず、短距離または長距離の移動を可能にするよう設計されている」との文言を用いていた。だがDMVは、テスラの製品は当時、そして今もなおその文言が意味する機能を実現していないことに問題があると指摘した。

そのため、DMVは2023年にテスラに対してこの問題の是正を求めて提訴を行った。一方、テスラはDMVに対し、同機関はAutopilotとFSDがリリースされた当時(2014年と2016年)からその名称を知っていたはずで、この問題はすでに時効と判断しても良いはずだと主張した。

これについての審理は2025年に行われ、裁判所はテスラがADAS機能の説明に「Autopilot」を使用していることは誤解を招きやすく、州法に違反するとの判断を示した。そして、テスラに対して30日間の自動車製造ライセンスと販売ライセンスの停止を命じた。

ただし、DMVは最終決定においてはライセンス停止は永久に延期し、軽減措置として「Autopilot」の名称の使用を60日以内に停止するようテスラに命じた。なお、FSDに関してもすでに「FSD Supervised(監視付きFSD)」という注釈付きの名称に表記が変更されている。

今回、テスラがすんなりとAutopilotの文言削除とFSDの名称変更を行ったのには理由がある。今回の変更はたしかにDMVからの要求に沿ったものだが、その一方で、テスラが長年顧客に対して宣伝してきた、同社の製品は将来的に完全な自動運転が可能になるという約束から逃がれようとする同社の動きを助けるものになる可能性があるからだ。

先月、テスラは2月14日以降はFSDオプションの販売を停止し、月額99ドルのサブスクリプションのみのモデルに移行すると発表した。

FSDはこれまで安いときで5000ドル、高いときには1万5000ドルのオプション料金で販売されてきた(最終的には8000ドルで提供されていた)。2020年にはイーロン・マスク氏が「ソフトウェアが規制当局の承認を得て完全自動運転に近づくにつれて、FSDの価格は上がり続ける」と述べ、顧客に早期にFSDを購入するよう呼びかけてもいた。

マスク氏はAutopilotとFSDが「将来的に完全な自動運転が可能になる」と言い続けてきたが、月額制にすれば解約は顧客の自由になるため、将来の完成を約束する必要もなくなる。テスラは過去にオプション料金を支払った人々が月額の支払いを免除されるのか、または払い戻しをするのかについては述べていない。

テスラは先月末、長年製造してきた上位車種の「Model S」および「Model X」の終売を発表した。そして、両車種を製造してきたフリーモントの工場は、同社のヒューマノイドロボットである「Optimus」の生産工場に転換するとした。

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