高級ゲーミングPCを組むには最悪のタイミング

メモリ不足でGPU価格急騰。最上位モデルは90日で40%超上昇

多根清史

Image:Adnan Ahmad Ali/Shutterstock.com

AIブームにより世界的なRAM(メモリ)不足が続くなか、GPU価格も昨年11月からの3か月で平均15%上昇し、特にNVIDIAの最上位クラス製品は最大40%以上の値上がりを見せたと報じられている。

かつては暗号資産マイニングブームによってGPU価格が急騰し、転売業者が買い占めた製品を高値で売りさばいていた時期もあった。しかしこの流れはやがて沈静化し、ここ数年は価格も落ち着いていた。ところが現在のメモリ不足は長期化が見込まれ、2030年以降まで続く可能性も指摘されている。そのため、メモリを搭載するGPU価格が近いうちに下がる見込みは薄い。

米テック系老舗サイトTechSpotのレポートは、過去3か月間におけるGPU価格上昇のデータを世界規模でまとめたものである。NVIDIAのGPUモデルが全て値上がりしており、なかでもRTX 5090は最大級の上昇幅で、2500ドルから3500ドルへと最大40%上昇したとされる。さらに中価格帯のRTX 5080も、2025年11月時点の980ドルから1400ドルへと最大43%の値上がりとなったという。

こうしたNVIDIAの価格引き上げに、AMDのGPUも追随しており、多くのモデルで最大21%の値上がりが確認されている。

ただし、すべてのモデルが大幅に値上がりしているわけではない。比較的上昇が小さいのはRTX 5050、RTX 5060、そしてRTX 5060 Tiの8GBモデルで、同期間の上昇幅は2〜3%にとどまる。一方、RTX 5060 Tiの16GBモデルは最大25%上昇しており、大容量VRAMを搭載するモデルほど影響を受けやすいことがうかがえる。

また、値上がりの傾向には地域差もある。たとえばRTX 5090の場合、インドでは54%、ポーランドでは50%、米国では40%の上昇が確認されている。TechSpotは日本での上昇幅には言及していないが、GPUはドル建ての輸入品であるため、円安とメモリ価格の上昇が重なり、国内の実質的な値上がり幅は国際平均を上回っている可能性もある。

要するに、低価格帯から中価格帯、VRAM 8GB程度のGPUは価格変動が比較的小さい一方、ハイエンドでVRAM 16GB以上のモデルは明らかに急騰しているという状況である。現時点では、ゲーマーにとって高級ゲーミングPCへの買い替えやGPUのアップグレードを行うには、あまり良いタイミングとは言えない。

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