テレビでは映されませんでしたが…正しく使いましょう

スーパーボウル乱入者がスマートグラスで撮影した一人称視点の動画

Munenori Taniguchi

Image:Meta

今年のスーパーボウルでは、シーホークスがペイトリオッツを圧倒し、ハーフタイムショーではバッド・バニーが見事なパフォーマンスで会場を沸かせた。また、毎年高騰する広告枠を買い取った企業が流すCMでは、AnthropicがOpenAIを揶揄するかのような挑発的なコンテンツが流れた。

だが、この一大イベントの最中に、誰も予想も注目もしていなかったコンテンツも、この一大イベントの決してテレビ放送に乗らないところで映し出されていた。

それは、ある観客が身につけていたスマートグラスで撮影された主観(POV)映像だ。この観客は上半身裸でフィールドに乱入し、審判や係員数人の制止を振り切ったものの、程なく拘束されて場外へつまみ出された。

それだけならただのバカな目立ちたがりでしかないが、この観客はスマートグラスを着用して動画を撮影していた。

その様子はかなり鮮明で、臨場感あふれるものと認めざるを得ない。ただ今回は、この行動自体は別にだれかに大きな迷惑をかけるほどでもなかったのでまだ良かったと言うべきかもしれない。

もし、乱入者がスマートグラスで撮影した動画が大きく注目されるようなことになれば、自分も目立ちたいとばかりに真似をする輩が増え、さらには乱入によって競技を中断することで、試合の行方が大きく変わってしまうようなこともないとは言い切れない。

すでに報じられ始めていることだが、スマートグラスに内蔵されるカメラは、盗撮行為に対するハードルを下げやすい。少し前までなら、スマートグラスは不自然にフレームが太かったりして不格好さの方が目立っていたが、最近は「Oakley Meta」や「Ray-Ban Meta」などのように外観も比較的スマートな機種が登場してきている。そして、それらのスマートグラスを使って、女性を口説き落とす様子などを密かに撮影し、相手の同意を得ずに公開するような投稿者が出てきているとのことだ。

スマートグラスの多くでは、撮影中とわかるようにLEDインジケーターが点灯するようになっているが、そんなものは見落とされがちであるうえ、隠してしまうのも簡単だ。GoProなどを身につけている人はわりと目立つものだが、スマートグラスなら目立たずにPOV映像を撮影できるというメリットは確かにある。

Metaのマーク・ザッカーバーグ氏は以前、自社製品のようなスマートグラスがAIのおかげで「私たちのメインのコンピューティングデバイス」になる可能性があると述べていた。だが少なくとも現状では、半ば盗撮グッズとして認識されている可能性もあるかもしれない。

今回のスーパーボウルでみられたような、いたずら目的での使用や盗撮目的での使用ばかりが目立つようなら、今後スマートグラスに何らかの規制が必要になる可能性も出てくるかもしれない。

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