それでも予算の7割、スタッフの9割は残留
MetaのVR部門が約3兆円赤字、「VRからAI」シフト加速か

Metaが発表した2025年度通期および第4四半期の決算報告により、同社のVR部門である「Reality Labs」が、巨額の資金を投じ続けているにもかかわらず、依然として深刻な赤字状態にあることが浮き彫りとなった。
最新の決算によると、Reality Labsの2025年通期損失は191億ドル(約2.9兆円)に達し、前年の177億ドルからさらに拡大している。第4四半期単独では62億ドルの赤字を計上する一方、売上高は9億5500万ドルにとどまった。
同部門は2020年に個別報告が始まって以降、一度も黒字化を達成しておらず、2025年末時点での累積損失は700億ドルを超えるとみられている。こうした状況を受け、Metaは予算を最大30%削減すると報じられ、実際にReality Labsの約10%(およそ1500人)がレイオフの対象となった。ビジネス向けメタバース空間「Horizon Workrooms」も、2026年2月15日をもって終了する予定だ。
近年のMetaは、VRからAIへと徐々に軸足を移し、研究開発費の多くをAI分野に振り向けるようになってきた。このAI重視への転換は、ビジネスの観点から見れば理解しやすい。Meta Ray-BanのスマートAIグラスは同社で最も売れている製品となっており、数年にわたり展開されてきたMeta QuestのVRヘッドセットよりも好調とされている。
MetaのCEOであるMark Zuckerbergは、2026年についても状況が大きく改善する見通しはないとの考えを示している。投資家との電話会見で同氏は「今年のReality Labsの損失は、昨年と同程度になると予想している」と述べた。これはVR事業から完全に撤退することを意味するわけではないが、同社にとって明るい材料ではないことは確かだ。
また、Metaは自社のMeta Horizon OSを搭載したサードパーティ製VRヘッドセットの計画も停止しており、VR事業が厳しい局面に置かれているのは事実だろう。ただし、見方を変えれば、予算の約7割は依然として維持され、スタッフの約9割は現場に残っていることになる。
Oculus VR創業者のPalmer Luckeyは、Metaが今なお世界最大規模のVRチームを抱えており、今回の削減は主にMeta傘下のVRゲームスタジオが対象だったと指摘している。これらのスタジオがサードパーティ開発者を圧迫していた側面もあるとして、「業界の長期的な健全性にとっては良い決定だ」と評価しており、VRの将来が必ずしも悲観一色ではないのかもしれない。
- Source: Android Headlines
