自社開発AIを脇に置いてGemini依存に割り切り

アップル、Gemini基盤の「新Siri」2月発表か。中核アプリ全体に統合?

多根清史

Image:Thrive Studios ID/Shutterstock.com

アップルは2026年後半に、Google Geminiを基盤とした強化版Siriをリリースすることを、すでに公式に発表している。この新バージョンのSiriについて、「中核アプリ全体にわたって深く統合する」予定だと報じられている。

これは、同社の内情に詳しいBloombergのMark Gurman氏が、ニュースレター「Power On」の最新号で述べたものだ。それによると、これまでアップルの計画は、より野心的なものだったという。

社内では「World Knowledge Answers」と呼ばれるプロジェクトが進められており、ChatGPTやPerplexityと競合することを目指していたとされる。しかし現在、このプロジェクトは縮小され、既存のAI技術をGoogle Geminiに置き換える方向へと舵を切っているそうだ。

World Knowledge Answersに限らず、他のプロジェクトも縮小されているという。たとえば2026年に向けた大きな優先事項の一つが、「AI時代向けに完全刷新されたSafariブラウザ」だったとのこと。これも、PerplexityやOpenAIに対抗する狙いを持つものだったとされる。計画されていた機能には、文書やデータの信頼性を評価する仕組みや、複数の情報源を横断して情報を照合する機能などが含まれていたと伝えられている。

これらの計画はいったん停止されているものの、WWDC26までに作業が再開される可能性はあるとされる。また、AIを活用したヘルスケア機能についても、「白紙に戻して検討し直している」と述べられている。

Gurman氏によれば、当初アップルは、SafariやTV、ヘルスケア、Music、Podcastといった各アプリに、「スタンドアロン型のチャットボット体験」を組み込む構想を描いていたとのこと。しかし、機械学習およびAI戦略担当の上級副社長であったジョン・ジャナンドレア氏の退任を受け、より一体感のある体験を目指す方向へと転換したとされる。

その結果、複数のアプリに個別のチャットボットを配置するのではなく、Geminiを基盤とした新しいSiriを、中核アプリ全体に「深く」統合する計画へと移行したと伝えられている。

現時点では、どのような形で実装されるのかは明らかになっていない。ただし、刷新版Siriは早ければ来月(2月)にも発表される可能性があると報告されている。

2024年のWWDC24で発表されたApple Intelligenceだが、多くの機能はいまだ提供されていない。しかし、アップルが内製AIへのこだわりをいったん脇に置き、Google Geminiの助けを借りると割り切ったことで、状況は一気に前進しそうだ。

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