OCRで書籍のテキスト認識、オーディオブックの再生位置にジャンプ

Spotify、紙の本とオーディオブックを同期する新機能「Page Match」をテスト中

多根清史

Image:Lumbung Pari Studio/Shutterstock.com

Spotifyは、紙の書籍や電子書籍のページをスキャンし、オーディオブックと同期させる「Page Match」機能をテスト中だと報じられている。

これは、Android Authorityが最近のSpotifyアプリ(バージョン9.1.18.282)をAPK解析したことで判明したベータ機能だ。このオプションでは、ユーザーがスマートフォンのカメラを使い、紙の書籍や電子書籍のページをスキャンできる。アプリ側はOCR(光学文字認識)によってテキストを識別し、オーディオブック内の該当箇所を直接再生する仕組みとなっている。

カメラがテキストを正しく読み取れなかった場合には、近くの別ページをスキャンするようユーザーに促し、より正確な位置を割り出そうとするという。

さらに本機能は逆方向にも対応する。オーディオブックを再生中に、現在の再生位置に対応するページ番号(例:Page %1$s)を表示できるとされる。未購入の場合は購入を促す表示が出る仕組みだ。これにより、ユーザーは聴取を一時停止し、正しいページを探すことなく紙の書籍で続きを読むことが可能になる見通しである。

このPage Matchツールは、ユーザーがすでに所有している、あるいはSpotify上でアンロックしているオーディオブックに対してのみ利用できる可能性がある。また、書籍とオーディオブックの位置をマッチングした時点の進捗はSpotifyアプリに永続的に記録され、アプリの再起動やデバイス変更後も同じ位置から再開できるという。

本機能はSpotifyの「オーディオブック」機能の拡張にあたるため、利用可能な地域もそれに準じる。具体的には、アメリカ、イギリス、カナダ、ヨーロッパの一部、そしてオーストラリアで提供される見込みだ。

なお、米Amazonには、Kindle書籍とAudibleオーディオブックの間で読書・聴取進捗を同期させる「Whispersync for Voice」機能が存在する。これは、Kindleで読んだページ位置やAudibleで聴いたタイムスタンプをクラウド経由で全デバイス間に自動同期するものだ。ただし、こちらは紙の書籍には対応していない。

ちなみに、日本でWhispersync機能が提供されていない理由としては、主に二つが考えられる。一つは、日本では出版社が電子書籍の権利をAmazonに、オーディオ権利を別会社に委託するケースが多く、ライセンス契約が分断されている点である。もう一つは、日本語の漢字や表記体系が英語などの表音文字中心の言語よりも複雑で、OCR処理が難しい点にあると推測される。

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