ChatGPTに健康データへのアクセスを許す?

ChatGPTが健康領域に本格進出。iPhone連携「ChatGPT Health」登場

多根清史

Imge:Amir Sajjad/Shutterstock.com

OpenAIは、Apple Health(iPhoneの標準アプリ「ヘルスケア」)やMyFitnessPalなどのパートナーと連携する新機能「ChatGPT Health」を発表した。AIによる健康ガイダンスに対する高まる需要に応えることを目的としているという。

公式リリースによれば、全世界で毎週2億3000万人以上のユーザーが、ChatGPTに健康やウェルネスに関する質問を行っているとのことだ。ChatGPT Healthは、そうした利用実態を踏まえ、より適切な形で対応するために投入された機能である。この機能は「医療従事者によるケアを補完するものであり、代替するものではない」と明記されている。

OpenAIによると、この新機能は「ユーザー自身の健康情報や文脈をもとに、より適切な回答を提供する」ことを狙いとしている。具体的には、最近の検査結果の理解、医師との診察に向けた事前準備、食事や運動習慣の考え方に関する助言、さらには医療利用傾向を踏まえた保険プランの選択肢比較などを支援するとされている。

ChatGPT Healthは、提携パートナーから提供される健康データに依拠しており、現時点で連携可能なアプリの例は以下のとおりである。

  • Apple Health(ムーブ、睡眠、アクティビティのパターンなどの健康・フィットネスデータ)
  • Function(血液検査結果の分析および栄養に関する提案)
  • MyFitnessPal(栄養アドバイス、マクロ管理、レシピ)
  • Weight Watchers(GLP-1使用中のユーザー向けにパーソナライズされた食事アイデア、レシピ、食事ガイダンス)

この新機能は、世界各国の医師の助言を受けながら、2年以上かけて開発されたという。60か国・数十の専門分野で診療経験を持つ260人以上の医師と協働し、健康に関する質問に対して「回答が有益となる要素」や、逆に「有害となり得る要因」を検証してきたとされる。この医師グループは、30の重点領域にわたり、モデルの出力に対して60万回以上のフィードバックを提供したとのことだ。

ChatGPT Healthは、ChatGPT内の専用スペースとして提供され、健康に関する会話や接続したアプリ、ファイルは他のチャットとは分離して保存される。

同社は「強化されたプライバシー」を強調しており、これらの会話やデータは基盤モデルの学習には使用されず、ユーザーはいつでも削除できるとしている。さらに、健康関連の会話やファイル・データについては、専用設計の暗号化や分離といった多層的な保護が施されているとのことだ。

ChatGPT Healthは、まずは限定されたユーザー向けに提供が開始され、その後順次拡大される予定である。公式ページでは、順番待ちリストへの登録が受け付けられている。

果たして、ChatGPTに自身の健康情報を預けたり、iPhone内の健康データへのアクセスを許可したいと考える人がどれほどいるのか。今後の受け止め方が非常に興味深いところである。

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