ハリポタも公開18日目に配信スタート?

Netflixのワーナー買収で、劇場独占45日→17日に短縮の可能性

多根清史

Image:Blossom Stock Studio/Shutterstock.com

昨年12月初め、Netflixはワーナー・ブラザース・ディスカバリー(WBD)の映画スタジオ事業およびストリーミング部門を、約827億ドル(約12兆円)で買収することで合意した。ただし、現時点では規制当局の承認待ちの段階にあり、Paramount Skydanceによる、より高額な入札もあって、状況は流動的である。

仮にこの買収が成立した場合、劇場独占期間を従来の45日から17日に短縮する可能性があると報じられている。

これは米Deadlineが、業界関係者の情報をもとに伝えたものだ。たとえば、劇場公開から18日目の時点で、自社ストリーミングサービスでの配信を開始する、といった運用が想定されているという。

劇場運営者は、こうした動きが初週末以降の重要な収益源を断ち切り、ビジネス基盤を損なう恐れがあると警告している。一方、観客側からは、ワーナーの『ハリー・ポッター』や『ロード・オブ・ザ・リング』、DCユニバースといった主要フランチャイズが、Netflixの契約者数を増やすための手段として使われ、映画館の役割が二の次にされるのではないか、という懸念の声も上がっている。

もっとも、この「17日間」という数字は公式に確認されたものではない。Netflixは公の場では、あくまで「業界標準の公開期間」という表現にとどめている。今回の報道によれば、AMCなどの劇場チェーン側は45日間を主張しており、交渉次第では中間的な日数に落ち着く可能性もあるという。

Deadlineの報道は、大晦日と元旦の2日間に、『ストレンジャー・シングス』シーズン5の最終話が、AMCとの提携により米国で限定上映された事例を背景としている。この上映では、わずか2日間で2,500万ドル以上の興行収入を記録したとのこと。AMC単体でも75万3000人が来場し、飲食による収入は約1500万ドルに達したという。

ただし、この上映では通常のチケット販売ではなく、11〜20ドルの「売店利用券」が販売された。通常のチケット販売を行うと、劇場上映が「再演」と見なされ、SAG-AFTRA(米俳優組合)の規定により、法定労働時間を超える残業が発生し、高額な追加支払い義務が生じるためだとされている。

関連キーワード: