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新発想、バイクシート用バイブレーター「Viber Alert」が海外発表

Munenori Taniguchi

Image:Viber Alert

自動車に比べてイノベーションがあまり見られないと思われがちなのが自動二輪、すなわちバイクだ。だが近年は、バイク用のトラクションコントロールからコーナリング用のアンチロックブレーキングシステム(ABS)、レーダーによるクルーズコントロール、死角検知用センサーなどが開発されている。

大手メーカーも、転倒しそうになったときにガスを噴射してその圧力で起き上がる危機回避技術や、そもそも「転倒しないバイク」などを試作している。そして、ヘルメットにもターンバイターンのナビゲーションを表示するHUDを内蔵するものが現れはじめている。

ざっと列記しただけでも、もうバイクに搭載すべき安全装備はないのではと思える。だがViber Alertは、まだ手が付けられていない部品である「シート」に目を付けた。

バイクのシートは、ライダーの姿勢を安定させるため、また長時間運転しても疲れにくくするため、最適な形状と適度なクッション性を備えている。Viber Alertは、そのシートにバイブレーションを発生する機能を埋め込むことで機能する。

Image:Viber Alert

残念ながら(?)それは別になにかのマニアックなプレイに使うことが目的ではない。このシステムには、ジャイロスコープ/加速度計でライダーの動作を追跡するオンボードセンサーが付属し、CANバス通信を通じて振動アクチュエーターを駆動する。

このような原理で発生した振動は、そのパターンによって、バイクの傾けすぎや設定速度の超過、その他検知したなんらかの危険要因をライダーの尻に知らせる。そのため、ライダーは道路から目を離さずとも警告を受け取れるようになる。

Image:Viber Alert

Viber Alertいわく、ランプの点滅や音声による警告は、ライダーの運転への集中力を散漫にしてしまう可能性があるのだそう。そのため、Viber Alertは「集中を妨げない」よう、ディスプレイや警告ランプに視線を移す必要のない警告方法を採用した。

もちろん、バイクは走行中、基本的にエンジンや路面などからの振動を受ける。またライダー自身も、常に同じポジションでバイクを操っているわけではない。そのため、単純にバイクシートに振動アクチュエーターを埋め込んだところで、振動警告がきちんとライダーに伝わるのかは気になるところだ。

同社はバイクシートを手がけるSoft Italiaと提携し、メーカーの純正シートやアフターマーケット用バイクシートにViber Alertを搭載する道を開いた。米国では老舗シートメーカーのCorbinと提携しており、より確実なセットアップに仕上げることを可能としたという。

バイクシートにバイブレーターを内蔵して、それを「安全装置です」と紹介すれば、きっと誰もが冗談だと思うだろう。だが、何もなかったところにまったく新しいものを作り出すというチャレンジこそが、新たなイノベーションを生み出す可能性もありそうだ。

Viber Alertは、1月6日より米ラスベガスで開催される電子技術見本市「CES」への出展を予定しており、真面目に「自動車業界の新たな安全基準になることを目指している」と述べている。

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