世界が「平和」を軽んじつつあるのを実感する話

MacBook Air、ウクライナ兵士の命を救う。砲弾のかけらが天板貫通も「動作に支障なし」

Munenori Taniguchi

Image:@lanevychs/X

2026年1月1日、ウクライナ国家親衛隊の兵士が天板に大穴の開いたMacBook Airの写真を投稿した。その穴はディスプレイ側に貫通しており、本体キーボードの「K」のキーがなくなっているのがわかる(よく見ると、天板のヒンジ側の端部も欠けている)。

投稿者いわく、MacBook Airをこんな姿にしたのはロシアの無人ドローンが投下した榴散弾の破片であり、この小さなノートPCによって彼は命を救われたのだという。

いくら硬いアルミニウム合金とはいえ、MacBook Airの天板のように薄ければ、砲弾の破片や銃弾を止めることはできなかったようだ。だが、写真を見る限りでは、そのMacBook Airは正常に機能しているようだ。

ディスプレイこそ穴の開いた箇所から下に位置する部分の映像が乱れているものの、投稿者はディスプレイの生き残った部分でXを見ることができたと動画付きで述べている。

非常に薄いデザインが特徴のアップルのMacBook Airは、最新モデルでこそ薄いスレート型デザインを纏っているが、写真に写っている2020年型のM1チップ搭載MacBook Proまでは、ディスプレイを閉じた状態にすると手前に来るに従い薄くなるウェッジシェイプ(くさび形)デザインが大きな特徴だった。

極薄デザインであるにもかかわらず、MacBook Airは非常に高い剛性を誇っている。その剛性を実現しているのが、アルミニウム合金を削り出したユニボディ筐体だ。ユニボディのMacBookシリーズは、キーボード部が格子状にくりぬかれた格好となっていることも強度を高める要因のひとつと考えられる。冒頭の写真の場合だと、どうやら飛んできた砲弾の破片はこの格子によって、MacBook Airの内部基板に到達するのを阻まれたようだ。

ちなみに、アルミ合金の筐体はそれ自体が放熱板としても機能しており、MacBook Airのファンレス設計実現にも役立てられている。また、アルマイト仕上げの表面はキズやへこみにも高い耐性がある。紛争下で損傷したこのノートPCは、アップル製品の高い技術と品質を如実に示したと言えそうだ。

とはいえ、さすがに穴が開いてしまったディスプレイとKの字を打てないキーボードでは使い続けるのは困難だったようで、投稿者はこのMacBook Airを修理に出すことにしたという。

投稿者が淡々とXに投稿しているため状況を見誤ってしまいそうだが、もとはといえば、紛争がなければMacBook Airもこのような姿にはならなかったはず。投稿者本人も命を危険にさらす必要がなく、平穏な生活ができていただろう。

2026年は新年早々、米軍がベネズエラ大統領を拘束するなど、事情がどうであれ、平和とはほど遠い状況が世界中で増えつつあることを実感させられる幕開けとなった。ウクライナで砲弾の破片が貫通したのがただのガジェットで、投稿者本人でなかったのがとにかく幸運だったということを忘れてはならない。

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