ソニーのCMOS独占供給が崩れる見通し

サムスン、iPhone向けCMOSセンサーを米国生産。18世代から採用か

多根清史

Image:Wongsakorn 2468/Shutterstock.com

サムスンが米テキサス州オースティン工場で、iPhone向けのCMOSイメージセンサー生産を近く開始すると報じられている。

韓国メディアThe Elecによれば、同社はまもなく本プロジェクト向けの生産設備を導入する見通しだ。すでに、設備の設置や立ち上げに関わる機械・電気系の技術者、エンジニア、マネージャー職の求人募集も始まっているという。

この工場で製造されるイメージセンサーは、三層積層構造を採用すると伝えられている。複数のセンサー層を垂直方向に積み重ねることで、ピクセル密度の向上や低照度性能の改善が可能になる。加えて、積層型センサーは高速な読み出し、消費電力の低減、ダイナミックレンジの拡大といった利点も持つ。

今月初め、サムスンはオースティン市議会に対し、現地施設へ約190億ドルを投資する意向を通知したとされる。この新型イメージセンサーの生産ラインは、早ければ3月にも稼働を開始する見込みだ。

アップルは8月に、この部品の供給についてサムスンと契約を結んだと公式に発表している。これまでの予測では、量産開始は2027年以降で、iPhone 19シリーズの標準モデルから採用されるとの見方もあった。まずは中価格帯モデルに導入し、段階的にProモデルにも展開する戦略だと考えられていた。

しかし、生産開始が2026年春に前倒しされるのであれば、iPhone 18の標準モデルから初搭載される可能性が高まる。

これが実現すれば、iPhone向けイメージセンサーにおけるソニーの独占供給体制が崩れ、かつ初めて米国内で製造されることになる。ただし、サムスン製センサーは超広角カメラ用に限られる見通しで、メインカメラや望遠カメラ用センサーは引き続きソニー製が採用されるとみられている。

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