操作を誤って障壁に衝突

『CoD』『Apex』『BF6』など手がけたゲームクリエイター、フェラーリ運転中に事故死。EAが追悼

Munenori Taniguchi

Image:EA, Respawn

米NBCによると、著名ゲームクリエイターのヴィンス・ザンペラ氏が、ロサンゼルス北部の山間部でフェラーリを運転中に操作を誤って障壁に衝突、同乗者1名とともに死亡したとのことだ。

ザンペラ氏はゲーム開発会社Infinity WardのCEOとして人気作『Call of Duty』オリジナル作を含む複数作品を製作した後、EA傘下のRespawn Entertainmentを共同創業して『Titanfall』シリーズやそのスピンオフ『Apex Legends』といった大ヒット作を世に送り出し、さらに最近では『Battlefield 2042』の失敗で低迷していたシリーズの復活作となった『Battlefield 6』のチームを率いた敏腕クリエイターだ。

事故は現地時間12月22日午後12時45分頃に、ロサンゼルス北部のサンガブリエル山脈にある観光道路で発生した。ハイウェイパトロールによるとザンペラ氏が運転するフェラーリはこの道を南方面に向かっていたが、トンネルを抜けた先にあったカーブを曲がりきれずに障壁にぶつかった。この事故で、同乗者は車外に投げ出され、ザンペラ氏は炎上する車内に取り残されたが結果的に両名とも死亡が確認された。

ちなみにザンペラ氏が乗っていたのは2026年型フェラーリ296GTSで、V6ハイブリッドツインターボエンジンの出力は819馬力以上とされている。

ザンペラ氏が手がけた『Apex Legends』や『Battlefield 6』を販売するゲームパブリッシャーのEAは声明で、事故に際しザンペラ氏がビデオゲーム界に与えた影響は「深く広範囲に及ぶ」と同氏の死去を悼み、「友人であり、同僚であり、リーダーであり、そして先見の明あるクリエイターであった彼の作品は、現代のインタラクティブエンターテインメントの形成に貢献し、世界中の何百万人ものプレイヤーと開発者にインスピレーションを与えた。彼が遺したものは、これからもゲームの作り方、そしてプレイヤー同士の繋がり方を形作っていくだろう」と述べている。

ちなみに、Xにはザンペラ氏の事故の様子を捉えたとされる映像が投稿されている。この映像では、トンネルを飛び出してきた赤いスポーツカーがその先の左カーブで外側の壁にぶつかって大破し、炎が上がるなか、乗っていたとみられる人物が、外れたシートごと安全な場所へ引きずられていく模様が見える。一方で原形をとどめないほど破損し炎上する車の運転席の様子はうかがえない。

映像に関して、最初から何人もの人がカメラを構え待ち受けていたことに違和感を覚え、ねつ造された映像ではないかと思う人もいるかもしれないが、この場所は景色が良く、トンネルを飛び出してくる高級スポーツカーを撮影する格好のスポットとして現地の人々には知られている模様だ。

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