2026年の折りたたみ市場は「折り目なし」競争に

折りたたみiPhone、分厚くて重い?「折り目なし」にも技術的課題か

多根清史

Image:tinhkhuong/Shutterstock.com

アップルが開発中と噂される折りたたみiPhone、通称「iPhone Fold」は、2026年末の発売を目指しているとみられている。その試作機について、筐体の厚みと重量に関する情報が報じられた。

中国Weiboを拠点とするリーカー、数码闲聊站(Digital Chat Station/DCS)氏によると、iPhone Foldは折りたたんだ状態で約9.5~10mmの厚さ、重量は255gになるという。

この数値は、サムスンの最新折りたたみ機であるGalaxy Z Fold7(厚さ8.9mm、重量215g)と比べると見劣りする。また、iPhone Foldと直接競合するとみられる来年のGalaxy Z Fold8は、Fold7よりもさらに薄型・軽量化される見通しだ。

一方、GoogleのPixel 10 Pro Foldは、折りたたみ時で約10.8mm、約258gとされている。ただし、こちらも来年の後継機では改良される可能性が高い。

さらにDCS氏は、アップルが超薄型フレキシブルガラス(UFG)を用い、折りたたみ画面の折り目を目立たなくする設計をテストしている段階にあるとも伝えている。ただし、「依然として技術的な課題は残っている」としている。

ここで言うUFGは、すでにサムスンのGalaxy Z Fold/Z FlipシリーズやXiaomiなどで使われているUTG(超薄型ガラス)の進化版だ。折りたたみ部分はUTG並みに薄くしつつ、それ以外の部分を最大300μmまで厚く設計することで、耐久性の向上と折り目の低減を両立する技術である。Galaxy Fold Special Editionなどで採用例はあるものの、まだ実用例は多くない先進技術だ。

またDCS氏によれば、中国のスマートフォンメーカー2社もUFGの採用を検討しているという。iPhone Foldが発売される頃には、すでに「折り目なし」を実現した他社の折りたたみスマホが複数登場している可能性もありそうだ。

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