売れているAIスマートグラスを優先
Meta、サードパーティ製VRヘッドセット計画を事実上ストップ

昨年、Metaは自社のVR向けOS「Meta Horizon OS」を、ASUSやレノボを皮切りに、他のヘッドセットメーカーにも開放すると発表していた。しかし、この取り組みは現在「一時停止」されていると報じられている。
これは、VR関連情報サイトRoad to VRが伝えたものだ。当初の発表では、ASUSはROGブランドによる「高性能」ゲーミング向けヘッドセット、レノボは「生産性・学習・エンターテインメント」に重きを置いたMRデバイスを投入する計画とされていた。
Metaの広報担当者は、この報道が事実であることを認めたうえで、「VR市場を前進させるために必要な、世界最高水準の自社製ハードウェアおよびソフトウェアの構築」に注力するため、プログラムを中断したと説明している。また、「長期的にはこの分野にコミットしており、カテゴリーの進化に応じてサードパーティとの提携を再検討する」とも述べている。
なお、ASUSおよびレノボは、すぐにはコメント要請に応じなかったという。両社とも、2024年の最初の発表以降、これらのヘッドセットについてほとんど言及していない。
この方針転換は、決して意外なものではない。今年のMeta Connectイベントでは、スマートグラスが主軸に据えられ、VR関連の発表は非常に限られていた。今月初めには、BloombergがMetaのメタバース部門の予算が最大30%削減される可能性を報じており、Meta広報もこれを事実と認めている。
こうした動きの背景には、Reality Labs(MetaのAI/XR部門)における優先順位の変更がある。Meta自身も公式に、メタバースから「勢いのあるAIグラスやウェアラブル」へ投資をシフトしていると説明している。アップルでUIデザイン責任者を務めていたアラン・ダイ氏を引き抜いたのも、ウェアラブル製品の使い勝手を向上させる狙いがあると見られる。
MetaのAIスマートグラスは売上面で好調とされており、今後もしばらくは「メタバースよりウェアラブル」という流れが続きそうだ。
- Source: Road to VR
- via: Engadget
