ついこの間までは利用規約で「Twitter」に言及していませんでした
X、「Twitter」商標登録の抹消請求を拒否。利用規約を変更

Xはイーロン・マスク氏が2023年7月23日に「XはまもなくTwitterブランドに別れを告げる」と宣言する投稿をした。その後、プラットフォームに残るTwitterの名称をXに変更していったことで、いまでは事実上、Twitterの名称やロゴマークは使用されなくなっている。
米バージニア州のスタートアップ「Operation Bluebird」は、この事実に基づいて、新しい「Twitter」サービスを立ち上げるべく、12月2日に米国特許商標庁に対して「Twitter」の名称および青い鳥のロゴマークの商標登録を抹消するよう請求する請願書を提出した。
Operation Bluebirdは、すでに「twitter.new」というドメインを取得し、同URLにアクセスすると同社の新しいSNSに対するユーザー登録の予約者を募っている。

この動きに対してXは16日、Twitterの文字をXに置き換えて久しい同プラットフォームの利用規約に再びTwitterの文字を追加し、XがTwitterとTweetの商標、そして青い鳥のロゴマークを引き続き独占的に所有していると主張した。
そしてさらに、Xは米デラウェア地区裁判所に対し、「ブルーバードは、自ら『強奪』と称する行為の一環として、世界的に著名なTwitterブランドを厚かましくも奪取しようとしている」とする反訴を行った。
ここまでの話だけなら、Xがスタートアップに対して意地悪をしているように受け取れなくもない。だが、Operation Bluebirdの側にも、疑問に思える点がまったくないとも言えないところがある。
現在、Operation Bluebirdの旗を振っているのはイリノイ州を拠点とする弁護士でOperation Bluebirdの創設者であるマイケル・ペロフ氏と、かつてTwitterで商標弁護士を務めていたスティーブン・コーツ氏だ。
コーツ氏はメディアへの声明で「X社はTWITTER商標を法的に放棄し、Twitterブランドは『死んだ』と公に宣言し、新たなブランドアイデンティティを確立するために多大なリソースを費やした。われわれの取消請願は確立された商標法に基づいており、成功すると確信している」と述べた。
だが、TechCrunchは両氏がいずれも弁護士としての経歴しかないことを考えると、「XのライバルとなるSNSを立ち上げる」という計画の主張は疑わしく、むしろ商標の取得そのものが目的である可能性が高いと伝えた。
現在もXのことをTwitter、ポストをTweetと呼ぶ人が一定数おり、もしかするとまだXよりもTwitterのほうが世の中での通りがよい可能性もあり、さらにウェブブラウザーのURL欄に「twitter.com」と入力してアクセスすれば、x.comのサービスにリダイレクトされることを考えると、表には出なくなったとしても、いまだXにとってTwitterという名称は機能しており、手放すには時期尚早とも言える。
日本時間12月17日朝の時点で「twitter.new」には14万5000人以上のユーザーがハンドルネーム(ユーザー名)を予約している。Xが本当にこのスタートアップを脅威と考えて商標取得を阻止しようとしている可能性もあるが、逆にOperation Bluebirdによる公への発言が、X(またはマスク氏)にこの親しみある名称の価値に気づかせ、商標として保持し続けようと思わせることになった可能性もあるかもしれない。
- Source: TechCrunch Engadget
