どのアカウントで漏えいが起きたか分からず

Google、ダークウェブレポートを2026年に終了へ。「次のステップを示せなかった」ため

多根清史

Image:PeopleImages/Shutterstock.com

Googleは、「ダークウェブレポート(Dark Web Report)」を利用中のユーザーに向けて、2026年2月16日をもって同機能を終了すると通知するメールを送付した。

この機能は、2023年にGoogle Oneの有料ユーザー向け特典として提供が始まり、2024年7月からはすべてのGoogleアカウント保有者に無料で開放されていた。それにもかかわらず、一般提供から1年半も経たないうちにサービス終了を迎えることになる。

届いたメールの一部スクリーンショット

ダークウェブとは、Googleなどの検索エンジンにインデックスされず、通常のブラウザではアクセスできないインターネットの隠れた領域を指す。ダークウェブレポートは、この領域を監視し、ユーザーの個人情報が漏えい・流出していないかを確認するツールだ。Googleアカウント上で名前や住所、電話番号、メールアドレス、パスワードなどのプロフィール情報を設定すると、自動的にスキャンを行い、検知時に通知するという仕組みである。

Googleは公式サポートページにおいて、このツールを終了する理由について「次のステップを提示できなかった」ためだと説明している。漏えい情報を検知しても、どのサービスやアカウントが影響を受けているのかを具体的に示さず、パスワード変更などの一般的な助言どまりで役に立たないとユーザーからも指摘されていた。

そのためGoogleは今後、ダークウェブレポートに代えて、「より明確で実行可能な対策を提示できるツール」に注力するとしている。

今後のスケジュールとしては、まず2026年1月15日に新規スキャンを停止し、その後2026年2月16日にサービスを完全終了、あわせて関連するすべてのデータを削除するとされている。

Googleは、通知メールおよびサポートページの双方で、アカウント保護のために代替ツールを活用するよう呼びかけている。具体的には、アカウント全体の安全性を診断する「セキュリティチェックアップ」、パスキー、Googleセーフティセンターの各種認証ツール、パスワードマネージャー、そしてパスワードの漏えいや使い回し、脆弱性を検出する「パスワードチェックアップ」などが挙げられている。

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