新生Twitter誕生のために商標を取得する試み

Twitterが帰ってくる?「Twitter」や「Tweet」などの商標抹消、米スタートアップが当局に求める

Munenori Taniguchi

Image:salarko/Shutterstock.com

米バージニア州のスタートアップ企業Operation Bluebirdが、米特許商標庁に対し「Twitter」や「Tweet」などの商標登録を抹消するよう申し立てる請願書を提出した。この書類はXはすでにこれらの文言を同社の製品、サービス、マーケティングから完全に排除しており、事実上このブランドは放棄されていると主張している。

たしかに、Twitterを買収しそれをXに改名したイーロン・マスク氏は、2023年7月に「我々はツイッターというブランドに別れを告げ、そして徐々にすべての鳥にも別れを告げるだろう」とツイートした。

Operation Bluebirdを率いる複数の人物は、Ars Technicaに対し、この試みがもし成功すれば、早ければ来年にも「Twitter.new」という名のSNSを立ち上げる予定と語った。記事執筆時点でURL「twitter.new」にアクセスすると、懐かしい青色を背景色にしたプロトタイプのウェブページが表示され、ハンドルネームの予約ができるようになっている。

Image:twitter.new

Twitterがイーロン・マスク氏に買収されて以来Mastodon、Bluesky、ThreadsといったTwitterライクなSNSが続々と登場したが、以前のTwitterほどの規模やブランド認知度を誇るサービスはない。Twitterから改名したXでさえ、いまだに元の名前であるTwitterと呼び、ポストすることを「ツイートする」という人がたくさんいる。

イリノイ州の弁護士でOperation Bluebirdの創設者であるマイケル・ペロフ氏は、上に述べたようにマスク氏が「Twitterに別れを告げる」と述べたときに、自分たちがTwitterや「Larry Bird」と呼ばれた青い鳥のロゴマークを使えるようになる可能性があると考えた。

そして、Twitterという名のSNSサービスを求める商業的ニーズに応える格好でブランドの復活を目指すOperation  Bluebirdを開始することにしたという。

現在のXは「言論の自由」を都合よく解釈した過激な主張や、詐欺まがいのコンテンツへ誘導しようとするクリックベイト、NSFWコンテンツを投稿し続けるポルノボットなどが増加し、不適切な投稿に関連付けられることを嫌う一部の企業は広告の掲載に消極的になった。

ペロフ氏は、新たに立ち上げようとしているSNSでこうした問題が起こりうることへの対策にも自信があるようで「われわれのモデレーションツールは、議論をより責任ある方向へと発展させるのに役立つと思っている」と述べた。

そして「たしかに代替サービスはいくつか存在する」が、「現時点ではどれも国民的な議論に変化をもたらすほどの規模に達しているとは思えない。だがもし新しいTwitterが現れれば、(そのレベルに到達する)可能性は確かにある」「いまは(Twitterという)ブランドはXに縛り付けられた状態だ。なぜなら、他に選択肢がないからだ」としている。

ただし、Ars Technicaは、今回の件に無関係な弁護士の見解として、ペロフ氏らの請願に対してXが現在もTwitterの商標を使用していることを証明できれば、(たとえば将来的にTwitterの名を何かに使う予定であると示すことができれば)それを維持できる可能性があると伝えている。

ちなみに、現在は「twitter.com」にアクセスすると「x.com」にリダイレクトされるようになっているため、少なくともURL上のtwitterはまだXが使用中だ。だが、Xはラリー・バードやTwitterロゴの看板などを社名変更の際に売りに出したり廃棄したりしていた。その商標関係がXにとっていまも重要かどうかは、Xの見解が出てUSPTOが判断を下すのを待つほかなさそうだ。

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