「脳の外部メモリー」です

Pebble、AI指輪デバイス「Index 01」発表。ひらめいたアイデアを忘れる前に記録

Munenori Taniguchi

Image:Pebble

Pebbleがスマートリングのカテゴリーに参入し、最初の製品となる「Pebble Index 01」を発表した。

スマートリングと言えばOuraやサムスンなどの製品がすぐに思い浮かぶが、Pebble Index 01はヘルストラッキングやAIアシスタント的な機能を提供するデバイスではない。

Pebbleの創設者エリック・ミジコフスキー氏は、この指輪型デバイスを「脳の外部メモリー」だと表現している。

その機能はPebbleらしく実にシンプル。指輪に搭載するシリコンゴム製のボタンを押すと、内蔵のマイクによってユーザーの音声が録音され、ボイスメモとしてスマートフォンのPebbleアプリに転送される。ただそれだけだ。

ジョギングなどのワークアウト中やデスクワーク中など、どんな時でもどこにいても、アイデアが浮かんだら即ボタンを押して話しかけるだけで、音声が瞬時に文字化され、Bluetooth経由でPebbleアプリに送信される。もし、近くにスマートフォンがない場合も最大5分間はリング内に保管し、後で転送することが可能だ。

もちろん、ボイスメモとしてデータを蓄積していくだけではあまり便利ではないだろう。そこで、Pebbleアプリではこの音声データから、99言語以上に対応するオープンソース技術を用いてテキストに変換して保存できる。元の音声データも残るので、環境ノイズなどで文字起こしが失敗しても問題ない。

そして、テキスト化された情報はAIによって、普通のメモ、リマインダー、カレンダーなどに分類され、デバイス標準のカレンダーからNotionなど連携可能な外部アプリに転送できる。

Index:Pebble

気になるのは電池の持続時間だが、Pebble Index 01は充電式のバッテリーではなく、交換可能な酸化銀電池を採用しているため、電池が切れたら交換するだけで良い。使用済み電池のリサイクルも受け付けるという。なお、酸化銀電池の寿命は録音時間にして約12~14時間とされており、平均的な使用なら約2年ぐらいはもつとのことだ。

さて、ここから先がPebbleのPebbleたるところだが、Pebble Index 01はオープンソースソフトウェアで構築され、カスタマイズ性が高いことをメーカー自身が説明している。

つまり、腕に覚えのある開発者なら、このデバイスを自由にハックできるということだ。シングルクリックやダブルクリックなど押し方の違いで機能を使い分け、スマートホームデバイスの操作や音楽再生、ウェブの検索操作など、工夫次第でいろいろなアクションをトリガーできるようになりそうだ。

Index:Pebble

ハードウェアについて簡単に記しておくと、Pebble Index 01はリング部がステンレススチール製で、ポリッシュシルバー、ポリッシュゴールド、マットブラックの3色が用意される。サイズはUS 6~13号。洗面やシャワーで濡れる程度なら問題ないレベルの防水性能を備えるが、水泳は避けよとのことだ。Pebbleのウェブサイトに掲示されている価格は75ドルで、2026年3月の出荷を予定している。

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