Waymoのロボタクシーは現在、第5世代の自動運転システムを搭載しています
米Waymoのロボタクシー、交通違反の追い越しが相次ぎ問題に。当局が調査へ

米道路交通安全局(NHTSA)は米テキサス州オースティンにて、Waymoの無人ロボットタクシーがスクールバスを違法に追い越す問題が確認されただけで19回におよぶとの報告を受け、同社に対して自動運転システムの詳細と運用に関する情報の提出を求めた。
NHTSAの欠陥調査室(ODI)は今年、ジョージア州アトランタで赤い「STOP」のサインを点滅させて停車中のスクールバスを、Waymoの自動運転車が追い越していく映像を確認した後、10月にAlphabet傘下の同社に対する初期調査を開始していた。米国の一般的な交通ルールでは、上記の状況において後続車両は停車する義務があり、違反した場合は高額の罰金対象にもなり得る。
当時、Waymoはバスが私道を部分的に塞いでいたため、ロボタクシーは点滅灯や一時停止の標識を認識できなかったと主張した。しかしその一方でWaymoは「パフォーマンスを向上させるため」との名目で自動運転車両のソフトウェアアップデートを実施している
オースティンにおける今回の問題では、2025-26年度が始まって以来、Waymoの自動運転車がスクールバスを違法に追い越した事例が現地の公立学校システムであるオースティン独立学区(Austin ISD)に報告されている。このうち少なくとも5件は、Waymoが11月17日にソフトウェアを更新したと発表した後に発生したとされている。これについてAustin ISDは、Waymoに書簡を送り説明を求めた。
しかし、電子メールで返されたWaymoの声明では、同社が安全性を最優先事項としていると説明。Waymoのロボタクシーは道路の安全性を向上させており、人間の運転手と比較して負傷を伴う事故が5分の1、歩行者が関与する負傷事故が12分の1に減少しているとした。だが、スクールバスの問題に対する直接の回答はないまま「パフォーマンス向上のためのソフトウェアアップデートを既に実施しており、今後も継続的な改善に取り組んでいく」と述べていた。
Waymoは声明のなかで、ソフトウェアのアップデートにより、この分野では人間のドライバーを上回るレベルまでパフォーマンスが大幅に向上したとも主張した。しかし、Austin ISDはこれに異を唱え、「より徹底的なソフトウェアアップデートが完了し、Waymoが自社の車両が法令を遵守することを保証するよう」になるまで子供たちが登下校する特定の時間帯に学区内を運行することを停止するよう要請した。
同様に報告を受けたNHTSAは、WaymoがAustin ISDの要請に従って操業を停止したか、ソフトウェアの修正によってこの懸念は軽減されたか、そしてリコールを申請する予定があるかを同社に尋ねているところだという。
子どもたちの行動は時に予想不能であり、何かの拍子に車道に飛び出す可能性も十分にあるため、ドライバーは細心の注意と予測をもって対応しなければならない。それ以前に、交通法規で停車が義務づけられている状況で追い越しをするのは人間のドライバーであっても自動運転であっても違反であることにかわりはない。Waymoは自動運転が安全だと主張するのではなく、先にけが人を出す可能性がある問題を修正すべきだろう。
- Source: NHTSA(PDF) Austin Independent School District(PDF)
- via: TechCrunch
