人気の “ポケポケ” はベストiPhoneゲームに
AIやイマーシブが台頭。アップルが2025年「App Store Awards」発表、選ばれた17本の“人気作”

アップルは、App Storeで1年間のうちに人気を博したアプリとゲーム、そのデベロッパを表彰する「App Store Awards」を開催している。12月4日夜に2025年の受賞タイトルが発表された。
当アワードは毎年、App Storeで配信されているアプリやゲームを複数のカテゴリに分けて、世界中のApp Storeエディターと呼ばれるエキスパートが厳正な審査を行っている。まず選ばれた2025年の “ファイナリスト” として、11月19日に45本が発表されている。
2025年はファイナリストの中から、最終的に全17本のアプリとゲームがアワードを受賞している。内訳は下記の通りだ。
2025 App Store Awardsの受賞結果
アプリ
- 今年のベストiPhoneアプリ「Tiimo」(デベロッパー:tiimo)
- 今年のベストiPadアプリ「Detail」(デベロッパー:Detail Technologies B.V.)
- 今年のベストMacアプリ「Essayist」(デベロッパー:Essayist Software Inc.)
- 今年のベストApple TVアプリ「HBO Max」(デベロッパー:WarnerMedia Global Digital Services, LLC.)
- 今年のベストApple Watchアプリ「Strava」(デベロッパー:Strava, Inc.)
- 今年のベストApple Vision Proアプリ「Explore POV」(デベロッパー:James Hustler)
ゲーム
- 今年のベストiPhoneゲーム「Pokémon TCG Pocket」(デベロッパー:The Pokemon Company)
- 今年のベストiPadゲーム「DREDGE」(デベロッパー:Black Salt Games)
- 今年のベストMacゲーム「サイバーパンク2077 アルティメット」(デベロッパー:CD PROJEKT S.A.)
- 今年のベストApple Vision Proゲーム「ポルタヌビ:謎解き冒険」(デベロッパー:Michael Temper)
- 今年のベストApple Arcadeゲーム「WHAT THE CLASH?」(デベロッパー:Triband ApS)

2022年には、App Storeユーザーのデジタルライフに影響を与えるアプリや、アクセシビリティの向上に貢献したサービスを選んで表彰する「カルチャーインパクト」のカテゴリーが増設された。2025年もカルチャーインパクトの部門を受賞した6つのタイトルが発表されている。
カルチャーインパクトの受賞結果
- 「Art of Fauna」(デベロッパー:Klemens Strasser)子供向けのデジタルプレイルーム
- 「Chants of Sennaar」(デベロッパー:Playdigious)言葉を使わないコミュニケーションをサポート
- 「despelote」(デベロッパー:Panic, Inc.)フードロス対策プラットフォーム
- 「Be My Eyes」(デベロッパー:Be My Eyes)心癒やされるメディテーション系パズルゲーム
- 「Focus Friend」(デベロッパー:Hank Green from B-Tech Consulting Group LLC)
- 「StoryGraph」(デベロッパー:The StoryGraph)

アップルのエコシステムの中にあるアプリサービスやゲームは、ユーザーのプライバシーに配慮した設計を大事にしている。
同社によると、今年の受賞タイトルの傾向は、全てのユーザーが楽しめるようにアクセシビリティを高めたり、ユーザーインターフェースに工夫を凝らしながら創造性を刺激するコンテンツが数多く揃ったという。
近年では今年のベストMacゲームを受賞したCD PROJEKTの「サイバーパンク2077 アルティメット」は、Nintendo Switch 2やPlayStation 5などのゲームコンソールで高い評価を獲得した人気のタイトルだ。ついにmacOS版として、満を持してリリースされた点に注目したい。

本作のデベロッパはポーティングツールを使って移植開発をする道を選ばず、Appleシリコンを搭載するMacで楽しむことを前提にネイティブ開発を行った。もともと美しい映像表現に定評のあるタイトルだが、「ネイティブ開発にこだわったことで、Metalで制作した特殊効果がリッチなままスムーズに描かれる」とタイトルの魅力をコメントしている。Macに接続したMagic MouseやMagic Trackpadのように、アップル純正の周辺機器による操作もスムーズにできる。
ベストiPhoneゲームを受賞した「Pokémon TCG Pocket」(ポケポケ)は、人気のポケモンカードゲームをデジタルに置き換えただけでなく、iPhoneでリズムよく遊べることや、デジタルスクリーンの奥に広がる世界観を動くアニメーション映像で表現したり、独自の工夫を凝らしたことが高く評価された。DeNAとクリーチャーズ、ポケモンが共同で開発したゲームタイトルだが、デベロッパは「多くのプレーヤーが手軽に楽しめるアクセシビリティの高いゲームにしたかった」と、開発にかけた思いを振り返っている。

アップルが毎年開催するApp Store Awardsは、デベロッパにとって “心の励み” になるだけでなく、ビジネスを支えるイベントとして大きくなっている。また受賞タイトルは、アップルが次世代のAppエンターテインメントとしてどのような価値基準を描いているのかを示唆している。
今年は、MacやiPhone向けに最適化されたゲームだけでなく、AIを活用したプランナー、iPadによるビデオ編集ツール、アスリートのためのApple Watchによるフィットネスマネージャー、そしてApple Vision Proの3Dイマーシブビューワーなどバラエティと先進性が際立っている。こうした受賞作が知名度を高めることで、近い将来、各カテゴリーのデジタルトレンドに大きな変革をもたらす可能性もある。
App Store Awardsの存在感が大きくなるほど、アップル製デバイスのユーザーは「健全なアプリ文化が着実に育っている」という安心感を得られるようになる。かつてアップルは「App Store Best of〜」という名でイベントを行っていたが、2021年からは「App Store Awards」として本格的に規模を拡大し、いまに至っている。今後10年間の受賞作も後から振り返ると、アプリ文化の歴史そのものが浮かび上がってくるかもしれない。
- Source: Apple
