黒字化の目処が立っていない可能性が大
ChatGPT無料プラン、広告付きへ? ベータ版コードから“導入準備”が発覚

OpenAIがChatGPTに広告を導入する可能性が高まっており、これまで「完全無料」で使えていた状況がまもなく終わるかもしれない。
ソフトウェア開発者のTibor Blaho氏はX(旧Twitter)上で、ChatGPTのAndroid版アプリのベータ版(1.2025.329)に、広告機能を示唆する複数の記述が含まれていると報告した。添付された画像には、「ads feature」「search ad」「bazaar content」といった文言が並んでいる。
この発見は、今月初めにThe Informationが報じた内容とも一致している。同メディアは、OpenAIがユーザーのメモリ機能やチャット履歴をもとに広告を表示する案を検討していると伝えていた。
OpenAIのサム・アルトマンCEOも過去にChatGPTへの広告導入について触れているが、明確な立場を示してはいない。昨年のハーバード・ビジネス・スクールでのイベントでは、広告とAIの組み合わせは「自分にとって非常に不気味だ」と述べ、「ビジネスモデルとしては最終手段だ」としながらも「完全に反対ではない」と語っていた。
その数ヶ月後に公開されたOpenAI公式ポッドキャスト第1回でも、アルトマン氏は「広告そのものに反対しているわけではない」が、「どのように実装すべきかはまだ決めていない」と改めて述べていた。
今回見つかったコードからは、広告がどこに、どのような形で挿入されるのかまでは判別できない。しかし、すでに無料プランではメッセージ数やメモリ、推論能力に制限がある以上、OpenAIが無料ユーザー向けに広告モデルを導入する可能性は十分にあるといえる。
OpenAIは急速に収益を伸ばしている一方で、生成AIの訓練・推論コストが膨れ上がっており、黒字化の見通しは立っていないとの指摘がある。この状況が続けば「AIバブル」への懸念が高まり、業界の不安定要因にもなりかねないため、広告導入を含む収益構造の改善は喫緊の課題とみられる。
- Source: Tibor Blaho(X)
- via: Engadget
