スマートフォンとBluetoothで連携

SHOEIとEyeLights「世界初」うたうARスマートヘルメットを発売。バイザーに速度やナビ情報を表示

Munenori Taniguchi

Image:Eyelights

仏EyeLightsは、ヘルメットメーカーのSHOEIとの提携によってAR(拡張現実)機能を統合したヘルメット「GT-Air 3 Smart」を発売する。

このバイク用ヘルメットは、安全性に定評あるSHOEI製フルフェイスヘルメットに、EyeLightsのバイザー一体型HUDを搭載し、外付けハードウェアなしに走行データを視界に直接投影する。

Image:Eyelights

ヘルメットを装着したライダーは、見かけ上約3m先に現在速度やGPSナビ情報、レーダー警告、スマートフォンの通話などの情報を見ることが可能になる。

既存のバイクヘルメット用HUDの一部には、直射日光のもとでは表示が見えにくくなるものがあったが、GT-Air 3 SmartはHUDに3000ニトの高輝度Nano OLEDを採用し、フルHD解像度での視認性が確保されているという。

さらに、GT-Air 3 Smartは市販されているすべてのバイク用インカムとの互換性があるとうたうユニバーサルインカムを内蔵し、オンラインモードおよびメッシュオフラインモードで他のライダーとの会話を可能とする。この機能においては通話相手となるライダーの数や、通信範囲に制限はない。内蔵マイクにはアクティブノイズキャンセリング機能が搭載されている。

専用のコンパニオンアプリを使えば、HUDに表示する情報のレイアウトを変更したり、表示データの選択、明るさの調整、オーディオの管理などが可能になる。

また、SiriとGoogleアシスタントは音声コマンドに対応しており、走行中でもハンズフリーで操作が可能。音声でターンバイターン方式のナビゲーション表示を優先するよう指示したり、通知をミュートしたり、音楽の操作ができるとのことだ。インターフェースはライダーの認知負荷を最小限に抑えるように設計され、高速走行時には不要なデータを非表示にする。

Image:Eyelights

なお、GT-Air 3 Smartには、QSV-2ドロップダウンサンバイザーと、PINLOCK対応のCNS-1Cアウターシールドも付属している。ヘルメット帽体部は米国のDOT規格と欧州のECE 22.06規格に対応している。カラーはWhite、Matte Grey、Matte Black、Electric Blue、そして「Sharpen TC10」と呼ばれる赤・黒・シルバーからなるリバリー仕様(SHOEIのカタログにあるGT-Air 3 REALM TC-1と同配色)の5種類が用意される。

日本ではSHOEIがAR機能のないGT-Air 3を販売しているが、同社のウェブサイト上にはGT-Air 3 Smartの情報は見当たらない。EyeLightsのウェブサイトによると、GT-Air 3 Smartの価格は1199ユーロで、同サイトで予約を受け付けている。

ちなみに、EyeLightsはGT-Air 3 Smartを世界初のARヘルメットと称しているが、SHOEIは同種の商品としてHUD内蔵ヘルメット「OPTICSON」を2022年より販売している。ただし、こちらは2025年12月31日時点の店頭在庫をもって販売終了予定だ。

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