ChromeOSもしばらく残る見通し

Google、ChromeOSに代わる「Aluminum OS」はAI中核か

多根清史

Image:Vantage_DS/Shutterstock.com

Googleが2026年にAndroidベースのPC向けOS「Aluminium OS」を導入する予定であり、このOSが「AIを核に据えた」設計になると報じられている。

同社は2024年半ば、将来のChromeOSはよりAndroidを基盤としたものになると初めて発表した。その約一年後には、この取り組みが「ChromeOSの体験をAndroidベースに構築する」方針であると明言している。そして2025年10月には、クアルコムと共同でAndroid PCが2026年に発売されることを正式に発表した。

こうした流れの中で、GoogleがLinkedInに掲載した求人情報から、さらなる詳細が浮かび上がってきた。

  • この新たな取り組みは「Aluminium OS」と呼ばれている
  • 「Aluminium OS」は “人工知能(AI)を中核に据えて構築されたもの” である
  • ChromeOSと「Aluminium OS」は一定期間は共存する予定である

求人情報は、台湾で募集された「Senior Product Manager, Android, Laptop and Tablets」という役職に関するものだ。その職務内容から、Googleがこの新OSをノートPC、タブレット、着脱式デバイス、ボックス型デバイスなど多様なフォームファクターで展開するつもりであり、エントリーからプレミアムまで複数のグレードを想定していることが読み取れる。

さらにこの職務には、「商用ChromeOS/Aluminiumデバイスの目標と戦略を策定すること」、「デバイスメーカーと協力して商用ポートフォリオを構築すること」、「GoogleをChromeOSからAluminiumへ移行させ、将来的な事業継続性を確保する製品ロードマップを維持すること」といった内容が含まれている。特に最後の点は、GoogleがいずれChromeOSをAluminium OSへ全面移行する可能性を示唆するものと言える。

ただし、この新OSがどのように「AIを核に据える」のかについては、現時点では詳細は語られていない。しかしGoogleがAI主導のOS開発を強化していることを考えれば、モバイル版AndroidやAndroid XRのように、AI処理を前提とした設計になる可能性が高い。

一方、GoogleのエンジニアがMediaTek Kompanio 520や第12世代Intelプロセッサーを採用するChromeOSボードに関するバグレポートにおいて「Aluminium」に言及していることも確認されている。また、「non-Aluminium ChromeOS」や「Android Desktop」といった表現も同時に使われており、一定期間は新旧OSが併存する可能性もうかがえる。

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