折りたたみiPhoneなど、今後の新ハードの基盤に

次期「iOS 27」は安定性とパフォーマンス改善に重点、新機能は控え目か

多根清史

Image:gguy/Shutterstock.com

アップルは今年、すべての主要OSにデザイン言語「Liquid Glass」を導入し、大幅な刷新を行った。この劇的な再設計や、過去数年にわたり大量の新機能を詰め込んできたことにより、多くのアップルユーザーがソフトウェア全体の品質に不満を抱くようになった。

こうした状況を受け、次期「iOS 27」では新機能の投入を控え、ソフトウェアの品質改善とAI機能の強化に重点を置く方針であると報じられている。

同社内部事情に詳しいBloombergのMark Gurman記者は、ニュースレター「Power On」最新号にて、この方針がiOS 27やmacOS 27だけでなく、watchOS、tvOS、visionOSといった主要プラットフォーム全般に及ぶとしている。これは2009年のMac OS X Snow Leopardの方針に近く、無駄なコードを削除し、バグ修正を徹底し、性能と安定性を高めることに重点を置くものだという。

より具体的には、iOS 27では、デバイスの過熱、原因不明のバッテリー消耗、UIやソフトウェアキーボードの不具合、通信障害、アプリのクラッシュ、システムナビゲーションやアニメーションの遅延といった問題の改善が目標とされている。

この取り組みは、Snow Leopardが新機能よりも将来の全面リニューアルや新型Macの基盤固めを優先した姿勢に似ている。iOS 27も折りたたみiPhoneなど次世代ハードウェアに向けた基礎を築く役割を担うとみられている。

もっとも、iOS 27がSnow Leopard同様に「新機能ゼロ」となるわけではないとのこと。Gurman氏によれば、アップルはAI競争で遅れを取らないためにも、複数の新しいAI機能を投入する計画だという。

現時点でiOS 27に関して噂されているAI機能には、AIを活用した健康コーチ(有料プラン「Health+」に統合される可能性がある)や、同社初となるAI搭載ウェブ検索機能などがある。

これらの新機能は、2026年春に配信されるiOS 26.4で導入予定の「AI版Siri」に続くものとなる。このAI SiriはGoogle Geminiのカスタムモデルを利用すると予想されている。このモデルはアップルのプライベートクラウド上で動作し、データがGoogle側に送信されず、プライバシーは保護される見通しである。

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