Even Realitiesが日本展開を強化
日常使いを目指したスマートグラス「Even G2」日本上陸。リモコンになるリング「R1」も同時投入

Even Realitiesは、スマートグラス「Even G2 ディスプレイスマートグラス」およびスマートリング「Even R1 スマートリング」を国内発表した。国内ではJUN GINZAおよびJUN GINZA ヒルトンプラザ名古屋店の2店舗が取り扱う。価格はEven G2が99,800円、Even R1が41,800円で、セット購入の場合はR1が50%オフになる(価格は税込)。
Even G2は、マイクロLEDプロジェクターを内蔵することで、ディスプレイ表示が可能なスマートグラス。そして、スマートリングのEven R1は、一般的なスマートリングのヘルスケア計測に対応しつつ、Even G2のコントローラーとしても利用できるようになっている。
なお、上記の2店舗だけでなく、海外の公式オンラインストアから購入することが可能。ドル決済のみに対応し、価格はEven G2が599ドル、Even R1が249ドル(税別)。R1が50%オフになるセット割引も利用できる。
グラスの形状は、クラウンパントの「A」形状と、新たに “ビジネスのプロフェッショナル向け” だというスクエアの「B」形状を用意。それぞれグレー、ブラウン、グリーンの3色から選ぶことができる。一方でリングの方は1色のみとなる。

Even G2

同社が2024年に発売した「Even G1」を改良した第2世代モデル。独自の光学エンジン「Even HAO 2.0(Holistic Adaptive Optics)」を採用することで、前モデルから表示品質を高めている。
HAO 2.0では、マイクロLEDプロジェクターに加えて、グラデーション型ウェーブガイド、デジタル加工レンズを組み合わせて映像表示を実現する。左右に表示機構が備わっているため、両眼による3D表示が可能だ。なお、ディスプレイ表示はグリーン単色で、これはエネルギー効率を考えてベストであるからとのこと。映像表示には対応しない。

購入時には追加料金で度入りにすることができ、-12〜12Dまでの度数、そして乱視にも対応する。オプションでクリップオン式のサングラスも用意している。
基本的にはスマートフォンアプリと連携して動作し、これによって数々のAIを活用した機能を利用できる。新たに搭載されたのが「会話サポート」で、現実世界の会話の流れに応じてトピックを認識し、説明やフォローアップ質問、背景情報などを提供できるとする。会話の後にはAIによるようやく表示も可能だ。
ほか、Even G1からの機能を継承しており、プレゼンに使える「テレプトンプト」、29言語に対応する「翻訳」、内蔵の地磁気センサーを用いた「ナビゲート」、そして「ダッシュボード」と「クイックリスト」といったものを備える。
本体には航空宇宙グレードのチタンとマグネシウム合金を採用し、質量は36gとなる。1度の充電で2日以上の駆動に対応しており、充電は専用のケースから行う。ケースにはバッテリーを内蔵し、7回のフル充電が行える。防塵防水性能はIP67。
Even R1

ジルコニアセラミックと医療グレードのステンレススチールで作ったというスマートリング。心拍数、HRV、SpO2、歩数、カロリーといった、各種健康モニタリングにも対応する。サイズは6号から15号までの10種類(号数はUSサイズ)。
大きな特徴が、上述の通り、Even G2の操作に利用できるということ。前モデルでは、左右のテンプルからタッチ操作する必要があったが、リングによって手を上げずに操作できるようになっている。
リングから行える操作は、コンテンツ操作、ノートのスクロール、予定管理など。リング状を指で撫でるといったジェスチャーで操作できる。

なお、現時点ではEven G1とR1の連携には対応しない。来年の早い段階でアップデートを予定しており、その段階で対応する可能性があるという。
スマートグラスは快適であるべき
ローンチに合わせて発表会が開催され、創業者兼CEOのWill Wang氏が登壇。「メガネというのは顔につける、日常に必須なもの」であることから、「快適であるべき」ということをモットーに開発しているとした。

前モデルのEven G1は2024年8月に発売。その後の反響は「期待以上に多くの方に使っていただいている」「間違いなく成功という域」だとWang氏は話しており、政府関係者や著名投資家などにも愛用者がいるという。また、世界中の “ベストな眼鏡店” への取り扱いも実現しているそうだ。
Even Realitiesでは、上述の通り快適さに重点を置いており、「派手なARやVRを求めているのではなく、日常で使えるスマートグラスを目指している」と強調。新モデルでは、Even G1からスリムで軽くすることにより、メガネとしての使いやすさ向上も目指している。
さらに新モデルでは、映像サイズを75%拡大しつつ、50%のディテール向上と100%の均一性向上も実現。「ディスプレイ品質が非常に上がった」とWang氏はアピールする。
なお、スマートグラスではMetaやサムスンのように、先行している巨大企業がある。そのなかでEven Realitiesはスタートアップではあるが、新しい技術である「破壊的技術(Disruptive Technology)」をいち早く投入することで、「スマートグラスで独特な立ち位置」を築くことで「この産業で勝ち残る」ことができるという。

Wang氏はその一例として、EVで一定の地位を得たテスラや、巨大IT企業のなかで存在感をもつOpenAIの存在を説明。行動が遅くなりやすい大企業のなかに飛び込むことで、独自の立場を維持したい考えだという。
また今後の展開については、「2〜3年にかけてはベストなテクノロジーを持っていると自負している」とし、当面は1年に1回のペースで新製品を投入していく計画とのこと。日本での取り扱いも拡大していきたいとのことで、今後の展開が頼みだ。
