スマホ新法に沿った動き

iOS 26.2で「日本だけ」サイドボタンのSiri変更が可能に。GeminiやAlexaに対応

多根清史

Image:Primakov/Shutterstock.com

次期iOS 26.2では、日本のiPhoneユーザーがサイドボタンでSiriの代わりにAlexaやGeminiといったサードパーティ製音声アシスタントを起動できることが明らかになった。

これまでサイドボタンの長押しで起動できるのはSiriのみであり、変更手段は存在しなかった。しかしアップルは開発者向けドキュメントを更新し、日本のユーザーに限って他社製音声アシスタントをサイドボタンに割り当て可能になると明記した。以下は該当部分の引用である。

「日本では、iPhoneのサイドボタンにアクションを割り当て、音声ベースの会話アプリを即座に起動できる。人々は、サイドボタンでアプリを起動した際、音声ベースの会話機能が即座に利用可能であることを期待しているため、AVFoundation等でオーディオセッションを開始し、すぐに使用できるように」

この機能はApp Intentsフレームワーク(アプリを開かずに特定のアクションを実行できる仕組み)によって実現されている。開発者は、自身の音声アシスタントアプリをサイドボタンから直接起動できるよう設定することが可能となる。ただし、この機能は日本国内限定であり、Appleアカウントの地域設定とユーザーの現在地が日本であることが条件である。

さらにiOS 26.2では、日本向けにサードパーティ製アプリストアのサポートや、セットアップ時のSafari検索エンジン選択画面も追加されている。これらは日本の公正取引委員会が「スマホソフトウェア競争促進法に関する指針」に基づき求めている対応に沿ったものだ。

サイドボタン関連のコードが発見された際には、EUのデジタル市場法(DMA)に基づき欧州でも提供される可能性があると推測されていた。将来的にそうなる余地はあるものの、少なくともiOS 26.2時点では、この機能は日本ユーザー限定の実装となる見通しである。

なお、iOS 26.2は2025年12月に全ユーザー向けに配信されることは、アップルが事実上認めている。

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