鋼鉄ジーグみたい

2本足ロボ2体が“合体”、4本足ロボになる「D1」発表

Munenori Taniguchi

Image:Direct Drive Technology

ここ1~2年はヒト型のヒューマノイド・ロボットが注目を集めることが多くなったが、少し前に数多くのロボットメーカーが開発していたのが大型犬ほどのサイズの4本足ロボットだ。

最近ではロボット犬と呼ばれたりもする4本足ロボットは発売しているメーカーも多くなり、まさに犬のように歩行したり、走ったり、さらにはジャンプなどアクロバット的な動作も可能なものが多い。

実用化への動きもヒューマノイドより一足はやく始まっており、日本でも企業施設や建築現場などのパトロールから、不整地での地形3Dデータ取得、農場での重量物運搬などに活用するための実証実験が行われている。

そんな中、香港の企業であるDirect Drive Technologyが発売したロボット「D1」は、自立型二足歩行ロボットとして単体動作する一方で、このロボット2体を合体させれば1体の4足歩行ロボットに早変わりする、まさに合体ロボットである点が大きな特徴だ。

舗装された敷地や施設建物内などの地面がスムーズな場所では、2足バージョンでも必要な作業をこなせることが多く、消費エネルギーも少なくて済む。実際、いくつかの企業からは自立型2足ロボットが製品化されており、館内ガイド役などへの利用が想定されている。

しかし、自然な起伏に富んだ地形や岩やがれきがゴロゴロしているような場所では、4足ロボットのほうが圧倒的に有利となる。

そのため、D1は2足歩行バージョンのロボット2つを磁力で連結させて4足歩行バージョンとして扱えるようにし、用途に応じて使い分ける選択肢を顧客に提供している。

2足歩行バージョンにおける単体の重量は24.3kgで、43.2V / 9Ahバッテリーにより最大で連続5時間以上の動作が可能だという。また頭脳となるコンピューターシステムはNvidiaのJetson Orin NX 8GBプロセッサーを搭載、OSにはUbuntu 22.04を採用し、遠隔制御でも自律制御でも動作させられる。

この2足歩行バージョンを合体させて4足歩行バージョンにした場合は最大100kgの積載能力を有するようになり、短距離での配送業務やカメラを搭載しての移動撮影、上に紹介したような警備や探索救助用途への使用が想定されている。

なお、D1の2足歩行バージョンは単体で7499ドルで販売されている。四足歩行にしたい場合は2体セットで1万3999ドルだ。カメラなど専用のオプションも用意されている。もし、企業などで明確な目的があって2本足および4本足両方のロボットを探しているのなら、D1はおすすめといえそうだ。

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