どんなロボットを作るのか?

テスラのライバルRivianがロボティクス企業を設立。ただし詳細不明

Munenori Taniguchi

Image:Rivian

テスラのライバルとして知られる米国の専業EVメーカーRivianは、子会社となるAIロボット技術企業Mind Roboticsを設立したことを発表した

Rivianは第3四半期業績報告で株主らに対し「自動運転の開発とフィジカルAIの間には相乗効果があると考えている」とMind Robotics設立の意義を述べている。フィジカルAIというのはテクノロジー界隈の最近の流行り言葉で、要するに何らかの格好でAIを搭載または利用するロボット技術のことを指す。

Rivianの創業者兼CEOであるRJ Scaringe氏は自身がMind Roboticsの取締役会会長に就任するとし、「企業として、製造インフラと製造プラットフォームの長期的な展望について、多くの時間をかけて検討を重ねてきました。そして、その過程で、製造工場の運営と運用をより効率的に行うための製品とロボットソリューションを開発する必要があるという考えに至った」「この会社は、産業用途に重点を置いた高度なAIロボットの設計と開発を直接管理し、直接影響を与えたいというわれわれの考えの集大成」だと、その設立理由を述べた。

最近は、以前なら自動制御やコンピューター制御と呼ばれていたような技術もすべてAIと呼称しがちな風潮になってきている。Rivianの今回の発表も「産業用AIの進化に注力し、物理世界のビジネスの運営方法を変革するとともに、Rivianの運用データをロボティクスデータフライホイールの基盤として活用する」と思想的な面を述べてはいるが、具体的に「高度なAIロボット」が何なのかは、それが「幅広い産業用途に対応できる」と述べるばかりで、テスラなどが開発しているヒューマノイドタイプなのか、用途に特化した産業用なのかも説明はなかった。

それでも、産業用AIとロボティクスの組み合わせは、投資家らの間ではいまもっとも注目されている分野だ。具体的に何をするのかもはっきりしないMind Roboticsも、すでにベンチャーキャピタルのEclipseが主導するシードラウンド(創業直前・直後の企業が行う資金調達ステージ)で1億1500万ドル(約177億円)を調達しているとのことだ。

Mind Roboticsは、Rivianは今年3月にもスピンオフ企業としてマイクロモビリティを開発するALSOを設立している。ALSOは製品第1弾としてモジュラー式電動アシスト自転車「TM-B」を発表し、すでにウェブページで予約を受け付けている。続く製品としては、商用四輪カーゴバイクの「TM-Q」を発表しているが、こちらの発売はもう少し先になる予定だ。

関連キーワード: