トランプが習近平とNVIDIAチップにつき協議との報道を受けて
NVIDIA、時価総額5兆ドルを突破した世界初の公開企業に

もっか進行中のAIブームから最大の恩恵を受けているNVIDIAが、時価総額5兆ドルを超えた初の公開企業となった。10月29日には株価が5.6%上昇し、一時212.19ドルを超えた。
この急上昇の背景には、米トランプ大統領がNVIDIAの最新AIチップ「Blackwell」について、中国の習近平国家主席と協議する見込みだと報じられたニュースがある。同チップは当初、中国への輸出が厳しく制限されていたが、NVIDIAが売上の15%を米政府に支払う形で規制が一部緩和された経緯がある。ところが今度は、中国側が国内企業に購入を禁じる措置を取っていた。
NVIDIAのジェンセン・フアンCEOは、AIチップの売上が5000億ドル規模に達する見込みだと発表している。加えて、米国の安全保障・エネルギー・科学分野向けに7台の新たなスーパーコンピュータを建設中であると明らかにした。また、通信機器大手ノキアに10億ドルを投資し、AIネイティブの5G-Advancedおよび6Gネットワークの構築支援も進めており、好材料が相次いでいた。
この5兆ドルの節目は、NVIDIAが4兆ドルを超えてからわずか3か月後の出来事である。同社の株価は年初から50%以上上昇しており、その背景には生成AIの学習・推論に用いられるGPU需要の爆発的な増加がある。NVIDIAは供給量を意図的に制御し、どの企業にどれだけ供給するかを自らコントロールすることで、常に「供給不足」の構図を維持している。
今やAI技術が世界中の産業を変革すると期待され、関連契約は数十億ドル規模に達している。NVIDIAはその中心的存在として位置づけられ、9月にはOpenAIに最大1000億ドルを投資し、今後数年かけてOpenAIのインフラに10GW相当のNVIDIAシステムを展開する計画を発表した。
現在、NVIDIAの時価総額は米国・中国・日本を除くすべての国の株式市場の合計を上回る規模に達している。
- Source: TechCrunch
