当初は中韓のみ発売、高額なニッチ製品に

サムスン、三つ折りスマホ「Galaxy Z TriFold」実機を初公開

多根清史

Image:Ice Universe/X

サムスンはついに、同社初となる三つ折りスマートフォン「Galaxy Z TriFold」の実機を公開した。韓国・慶州市で開催中のAPEC 2025において、ガラスケース内で展示され、あわせて2025年内の発売を目指していることが明かされた。

この三つ折りスマホは、今年1月のUnpackedイベントで開発中であることが示唆されていた。さらにサムスンのデバイス体験部門トップ、TM・ロウ(TM Roh)氏も「2025年末までに発売予定」と公式に認めていた経緯がある。製品名が「Galaxy Z TriFold」であることも、複数の情報源によって確認されている

Galaxy Z TriFoldは、既存のGalaxy Z Foldシリーズにもう1枚パネルを加えた構造となっており、3つ折り展開によってタブレットに近い画面サイズを実現するモデルである。これまでのリークでは、ソフトウェア内のアニメーション解析(主にOne UIベータ版)や、展開・折りたたみの機構詳細が明らかになっている。

本機は2つのヒンジを備え、右側の内部ディスプレイがまず内側に折りたたまれ、その後左側のパネルが重なる構造となっている。折りたたんだ状態では一般的なスマートフォンの形状に近い。また、ファーウェイのMate XTのように外側に向けて折る方式ではなく、すべて内側に折り込む設計である。

これまでのリーク情報を総合すると、Galaxy Z TriFoldのおおよその仕様は以下の通りである。

  • 3つ折り構造・2つのヒンジを搭載し、展開時には約10インチの大画面を実現
  • 外側に6.5インチのカバー画面を装備
  • 画面解像度は約2232×3184ピクセル、120Hzリフレッシュレート対応AMOLED
  • 画面比率は4:3で、画面占有率は約91.9%
  • 搭載チップはSnapdragon 8 Elite for Galaxy(Z Fold 7と同等)
  • バッテリー容量は約5700mAh、45W高速充電・有線/無線リバースチャージ対応
  • 200MP高解像度リアカメラを搭載
  • Android 16+One UI採用、マルチタスク向けUI最適化済み

発売はまず韓国および中国市場に限定される見込みで、米国などグローバル展開については未定とされている。価格はGalaxy Z Foldシリーズの約2倍に達する可能性が高く、プレミアム志向のニッチ製品となる見通しだ。

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